資料:332件
科学 と教養教育
-33-
高等教育ジャーナル─高等教育と生涯学習─11(2003) J. Higher Education and Lifelong Learning 11(2003)
科学と教養教育
北 村 正 直
*
北海道大学名誉教授
Science in Liberal Education
Masanao Kitamura
*
Hokkaido University, Professor Emeritus
1. はじめに
「今日の焦眉の課題の一つは人類の文化の中での科
学の位置づけである。」これは科学史,科学哲学の分
野でのリーダーの一人であるハーバード大学のホル
トン教授が最近の著書“Einstein, History, and Other
Passions”(Holton 1997)の序文において最初に記した
言葉である。アメリカでは70年代頃より人文学,社
会学の分野で科学批判が強まってきた。しかし,この
批判は非科学的傾向から更に反科学,反理性的な様
相をもつようになってきた。このような傾向を彼は
憂慮し彼は93年に“Science and Anti-science”(Holton
1993)を著し,この問題を取り上げていた。ここでは
更に科学に対する批判を広く取り上げアメリカの大
学における一般学生の科学教育の問題点と共に論じ
ている。
実は彼はすでに60年代に欧米の知識階級の間に在
る科学に対する批判的な傾向に気付いていた(Holton
1964)。彼は後になって当時の傾向を“Romantic
Rebellion”と呼んでいる。この科学批判の一つは,現
代科学に対する感情的な不満から発しているものであ
る。このような批判者は非常に深く科学を理解しては
いるが,現代科学の新しい概念は感情的に受け入れ難
いようであった。彼等の言い分を一言でまとめると
「中世には,人々は有機的な世界像があり,哲学者も
文学者もそれが“理解”できた。しかし,現代の科学
は自然の微小な各構成部分について調べ,全体につい
ては扱おうとしない。その結果,科学は人類から生き
Abstract─We are living in a weird period, a postmodern era, where any established, objective knowl-
edge is denied and replaced by subjective opinion, even a scientific theory is labeled as a social con-
struct. In this paper we try to trace the origin of such queer ideas and examine the prevailing claims
presented by some proponents, and conflicts between them and their critics, mostly from science. Fi-
nally, science in liberal education for the new era is discussed, since such ideas have permeated science
and mathematics education throughout the world, including Japan, and it is increasingly
アメリカ
科学
哲学
文学
問題
大学
現代
理解
全体公開 2008/01/14
閲覧(2,970)
地球と宇宙の科学
地球史を支配した水 スーパープルームのダイナミクス
太陽系は太陽を中心に回る、9つの惑星などで出来ている。太陽系には、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星が存在する。我々が住んでいる地球は、太陽系の中の惑星の一つだと言える。地球ほど生き物が暮らす環境が揃っている星は、存在しないと言われてきた。しかし、太陽系のデータが集まるにつれて地球と火星の構造が似ていると分かってきた。火星の表面は赤茶色で強い風が吹いている。気温はとても低く、この星に水は存在しない。つまり、火星で生物が生きることは出来ないのである。そのため、火星は“死の惑星”とも言える。ではなぜ、科学者たちは火星にも地球と同じく生き物がいるかもしれないと考えたのだろうか。その証拠を2つ取り上げてみよう。
証拠1:火星と地球は、厚い地殻と薄い地殻の2種類が存在する。厚い地殻と薄い地殻を造るためには、「プレート運動」が必要不可欠である。地球にプレート運動があることは、よく知られている。そして近年、火星にも地球と同じようなプレート運動が存在している、と言うことが分かってきたのである。
*地殻とは、地球の構造を卵に例えると「卵の殻」にあたる部分を言う。
証拠2:火星には巨大なオリンポス火山とリング状のくぼみが発見されている。地球ではアフリカ大陸に大陸を押し上げた跡が残っている。この跡は、「マントル上昇流」が大陸を押し上げてきた、と言うことが説明されているので、火星の火山やくぼみも地球と同様にマントルが大規模な活動をしていることになる。つまり、火星もかつて火山活動があった、あるいは現在もその活動が続いているかもしれないのだ。
*マントルとは、地球の構造を卵に例えると「卵の白身」にあたる部分を言う。
証拠1と証拠2から、現在“死の惑星”と呼ばれている火星は、かつて豊かな水と生命があり、プレート運動など地球と同じような活動が起っていたと考えられるのである。
レポート
理工学
地学
地球
火星
プレートテクトニクス
プルーム
550 販売中 2005/11/23
閲覧(2,267)
科学 技術の世紀
私は20世紀は科学技術の時代であったと考える。20世紀に入り科学技術は急速に進歩していき、その結果100年前に比べて特に先進国では生活水準は大幅に向上し、平均寿命も大幅に向上していった。更に100年前ではおよそ夢のような話であったであろう、わずか50g程度の重さしかない携帯電話、世界中の人々とコミュニケーションがとれるインターネットなどが発明され、交通機関の発達により世界中どこでも気楽に行けるようになり、更には宇宙ステーションの建設までを成し遂げた。このように科学技術の発展により、人類の長らくの夢を多く実現させることとなったが、その反面20世紀は科学技術の発展により、様々な悲惨な事態をもたらしてしまった100年間であったともいえると思う。
20世紀に入り間もなくライト兄弟が飛行機の開発に成功し、空を飛ぶといった人類の大きな夢が実現された。しかしその飛行技術は僅かその約10年後の第一次世界大戦では、戦闘機といった形で使用され、それにより各地に大きな被害をもたらした。またこの戦争では他にも毒ガス、戦車、火薬などといった形で科学技術が総動員された最初の戦争となり、各地にそれまでの戦争とは比較にならない様な被害をもたらすこととなった。次の第二次世界大戦では、量子力学による原子爆弾の開発などによって各地に未曾有の被害をもたらし、世界中で1千万人以上が犠牲になったと言われている。
レポート
史学
科学技術
20世紀
科学の問題点
550 販売中 2005/11/30
閲覧(2,647)
健康スポーツ科学
日常生活の中で、体力の維持・増進をはかるための方法を例を挙げて理論的に述べてください。という設題に対する合格レポートです。参考になれば嬉しいです。
健康スポーツ科学
体育
スポーツ
550 販売中 2023/10/03
閲覧(715)
社会科学 概論
この授業では、社会的思考を立ち上げる、というテーマで1年間授業を受けてきたわけなのだが、この授業を通じていままで「常識」だと思っていた様々な問題についていろいろと考えるきっかけが得られ、実際いろいろな諸問題を自分の頭で考えることが出来たと思う。そのなかでも今回の課題では、階級の問題とグローバル化の問題という2つの問題についておもに取り上げていこうと思う。
まず階級の問題について取り上げようと思う。確かにこの授業を受けたり、また先生の著書を読んだりして、一般に貧富の差が少なく平等であると考えられている現代日本社会においても厳として階級が存在することは、今まで気づいていなかったがある程度は理解できたと思う。まず身近な例として教育格差について考えてみたいと思う。学歴というのは一見して開かれているものであり、努力すれば誰にも得られるような物だと考えられているが、そもそも大学入試を受け大学に入学するのには、その過程においてかなりの資金を必要とするものである。つまり、貧しい家庭の子供の場合、大学入試を受ける機会さえ与えられていない。このように考えると、ある程度資産を持った家の子供は有名大学に入学し、さらにはそれを生かして有名な大企業に就職し、また自らの子供を有名な大学に通わせる、といった一定のサイクルが見出され(もっともこの場合においても労働者として企業に身を投げる「賃金奴隷」にすぎなく、労働者階級の一部にすぎない、ということは先生の著書にも書かれているが)、また対照的に経済力が低い家庭の子供は、中卒か、せいぜい高卒といった学歴しか得ることができず、低賃金で劣悪な労働条件の元で働かざるを得ず、子供にもお金をかけることができない、というサイクルになってしまうため、学歴というものを通じてこのような過程によりある程度階級は固定化されていく、と考えることができるであろう。
レポート
社会学
社会科学
階級
グローバル化
550 販売中 2005/11/20
閲覧(3,117)
生命科学 レポート
私がこの講義を受けてがんについて考えました。がんになる危険性について考えると、誰もが不安になります。多くの人は、がんは平安な人生に真っ向から対立する脅威だと考えます。しかしそれだけでしょうか。この人生に対するがんの脅威に心を開いて向き合えば、人生がいかにかけがえのないものだとわかってくるのではないでしょうか。その結果、人生をもっと大切に生きられるようになるのではないでしょうか。
しかし、もしがんがからだの中にあることをいきなり知らされたら、その当人と周りの人たちはどんな体験をするのでしょうか。がんであることが分かったとき、人間関係はもろいものになるかもしれません。周囲の人たちは患者に対して同情心を抱き、どこか近寄りがたい存在になってしまうのではないでしょうか。この分裂した姿勢を病気の当事者は察知し、うわべだけのものだと感じるのでしょう。そして社会の中でがん患者として孤立したという孤独感を味わうのでしょう。
今日では多くのがんが治療可能になっていて、また治療可能ではない多くの場合にも、苦痛なくがんと共に生きることが出来るそうです。考えてみればいままで何の変哲もない普通の生活をしていていきなりがんと宣告され不安のどん底に落とされるよりも、知らずに生きてぽっくりと死んだほうがいいという人もいるかもしれません。
がんの治療は年々成功を収めるようになっています。であるにもかかわらず多くの人たちはがんという話題をほとんど自動的に死や不安に結び付けてしまいます。これはきっと、以前がんが本当に治療不可能なことが多かったせいなのでしょう。それとかずかずのメディアが歴代の著名人ががんで死ぬのを大げさに書いて、人々にがんは死の病だと植え付けていったのでしょう。
たしかに死とは多くの人には漠然とした恐怖に感じられるでしょう。
レポート
医・薬学
生命科学
がん
医学
550 販売中 2006/01/28
閲覧(7,844)
エレクトロニクス科学 史
エレクトロニクス科学史
第4回 レポート課題
2006 8 07
課題1
大電力半導体素子の開発により、ほとんどの応用分野で従来の真空や気体を使用した電子管を代替し凌駕した。
大電力半導体素子の特徴として、
ヒーターが不要なため消費電力が少なく、電源投入と同時に動作する。
低温で動作するため寿命が長い。 固体であるため振動や加速度に強く信頼性が高い。
同じ動作をさせるのに必要な体積、面積が小さい。
また、次のような弱点を補う方法が開発され広く普及した。
温度による特性の変化が大きいので、補償回路が必要である。そのために補償回路を含んだ集積回路の製作。
製造工程の少しの変化が大きな特性変化として現れるため、デジタル回路化し、特性のばらつきの影響を小さくする。
例をあげるとサイリスタ、IGBT、パワーMOSFETなどがある。サイリスタとは、ゲート (G) からカソード (K) へゲート電流を流すことにより、アノード (A) とカソード (K) 間を導通させることが出来る3端子の半導体素子である。
SCR(Silicon Controlled Rectifier) とも呼ばれ、PNPN の4重構造をしている。P形半導体からゲート端子を引き出しているものをPゲート、N形半導体からゲート端子を引き出しているものをNゲートと呼ぶ。原理としては、PNPトランジスタとNPNトランジスタを組み合わせた複合回路と等価である。
ゲートに一定の電流を通過させるとアノードとカソード間が導通(ターンオン)する。導通を停止(ターンオフ)するためには、アノードとカソード間の電流を一定値以下にする必要がある。この特徴を生かし、一度導通状態にしたら、通過電流が 0 になるまで導通状態を維持することが望ましい用途に使用されカメラのストロボ制御などに使われている。 特に、大電力の制御場合、電流0のタイミングで OFF になるためサージ防止に優れている。
その構造により電子と正孔を完全に制御出来るため、従来よりも高速に電流のスイッチが可能となる。
サイリスタは、新幹線をはじめとする車両用や、産業用、電力系統用などのパワーエレクトロニクス機器に利用されている。大電力半導体素子の開発なしには、短時間で移動可能な乗り物が登場することはなかったのだ。そうなれば人と人との交流もごく身近なものだけであったろうし、外国との貿易もこんなにまでもすすまなかったかもしれない。
課題2
エレクトロニクスの発展、それは軍事目的である場合が多々あった。エレクトロニクスの発展により、たしかに便利な世の中になっている。そのことは、この先かわらず「便利な世の中」のためにエレクトロニクスは、発展し続けるでしょう。しかしその発展には、大きな代償を払ってきたといってもよい。
核開発においてみてみると、軍事目的の核爆弾のために、開発が進められた。そしてアメリカにより日本におとされ、今世界ではイランや北朝鮮の核開発など核におびえている。世界の各国が核を保有しており、そのために両方手がだせないといういつわりの平和にまもられている状態だ。
核エネルギーにより、電気の製造は、飛躍的に向上した。「便利な世の中」を続けていくには、必要なことである。石油は、消費し続ければいずれなくなるものであり、火力発電のかわりに原子力発電がこれからも増えていくでしょう。原子力発電が増え続ければ増え続けるほど、原子力の爆発という危険にさらされ続ける。
この他にも、トランジスタの開発がある。トランジスタの開発によりICチップが開発され、そのためにミサイル
技術の発展
550 販売中 2007/12/07
閲覧(2,488)
スポーツと科学 の間
スポーツと科学の間(1)--ディシプリン・パラダイム・ルール
スポーツという営みないし制度と、科学という営みないし制度は全く別物、むしろ水と油のように異なるもの、敢えて言えば対立さえするものとさえ考えられているのではないだろうか。スポーツや体育に関心をもち、何らかのかたちでそれに携わる人々と、自然を実験的あるいは理論的に探求する人々は、関心においても資質においても全く異なる、としばしば考えられている。ありていに言えば、「体育系」と「理科系」とは別種の人間だということである。かく言う筆者もこれまで漠然とそのように考えてきた。
しかし、果たしてそうだろうか。中村が慧眼にも指摘しているようにスポーツと科学の間には、いくつもの重要な共通点があるのではなかろうか(1)。先ずはディシプリンという言葉を手がかりに考えてみよう。
ディシプリン
ディシプリンdisciplineという語を辞書で引いてみると、実に多様な意味がある。ちなみに名詞については以下のような訳語があてられている。
1 訓練、鍛錬、修行
2 懲戒、折檻
3 しつけ、規律
4 学科、専門分野
このような一見不可解なまでに多様な訳語群は、disciplineがディサイプル(disciple:門弟、弟子)の派生語で、Discipleと大文字で始めればキリストの十二使徒を意味する、などということを確かめれば、なるほどと合点がいく。
すなわち、弟子は宗教上の指導者=開祖の教えを訓練や修行を通じて学ぶ。しかし規律は厳しく、規律を破れば罰せられるし、破門される場合もあるだろう。そして、元来は宗教的な場面で用いられていたこの言葉が、学問ないし研究教育の場面にも適用されるようになった。学問上の指導者・教師と弟子・後継者との間には、宗教指導者とその弟子との間にみられる関係と類似の関係があるからである。科学者を目指す若者は、教授の指導の下、実験室での厳しく長い訓練を通じて、一人前の科学者となることができる。このようにして養成された科学者たちが学科を、あるいは専門分野を構成している。かくて、ディシプリンには「訓練」「懲戒」から「学科」「専門分野」に至る多様な意味が含まれることになったのである。
スポーツについてはどうだろうか。厳しい訓練や規律は、むしろスポーツにこそふさわしい。訓練をサボる、あるいはコーチの指導や規律に従わない選手には当然にも懲戒ないし制裁が加えられるだろう。このような試練をくぐり抜けた競技者・選手たちが、専門分野ならぬ各種のスポーツ競技を構成しているのは言うまでもない。ディシプリンに関する以上の議論を整理すると次の表のようになる。
制度 場所 形態 内容 宗教 僧院・道場 開祖から弟子へ 教義 科学 実験室 教授から学生・大学院生へ 専門分野・学科 スポーツ 体育館・競技場 コーチから選手へ 競技種目 (表)ディシプリンの諸形態
規律・訓練の拠点としての体育館と実験室
ところで、ディシプリンとは、M・フーコーの名著『監獄の誕生--監視と処罰』第三部「規律・訓練」の標題でもある(2)。フーコーはディシプリンを「身体の運用への綿密な取締を可能にし、体力の恒常的な束縛をゆるぎないものとし、体力に従順=効用の関係を強制するこうした方法こそが、規律・訓練disciplineと名づけうるものである」(3)と定義している。そして、フーコーは
全体公開 2007/12/24
閲覧(1,821)
微生物の科学
【東京大学】【優】<タイトル>
Recent Developments in the Study of Microbial Degradation of Polychlorinated Biphenyls
<著者名>KIMBARA KAZUHIDE
私は第6回目の講義「環境と微生物」を聴講して、有害物質を分解する微生物に大変興味を持った。そこで今回は環境保護に役立つ微生物としてポリ塩化ビフェニル(以後PCB)を分解する微生物に関する論文を調べることにした。
550 販売中 2010/11/05
閲覧(1,500)
新しくなった ハッピーキャンパスの特徴
写真のアップロード
ハッピーキャンパスに写真の アップロード機能ができます。 アップロード可能なファイルは:doc .ppt .xls .pdf .txt .gif .jpg .png .zip
一括アップロード
一度にたくさんの資料のアップロードが可能です。 資料1件につき100MBまで、資料件数に制限はありません。
管理ツールで資料管理
資料の中から管理したい資料を数件選択し、タグの追加などの作業が可能です。
資料の情報を統計で確認
統計では販売収入、閲覧、ダウンロード、コメント、アップロードの日別の推移、アクセス元内訳などの確認ができます。
資料を更新する
一度アップロードした資料の内容を変更したり、書き加えたりしたい場合は、現在アップロードしてある資料に上書き保存をする形で更新することができます。
更新前の資料とは?
一度アップロードした資料を変更・更新した場合更新前の資料を確認することができます。
履歴を確認とは?
資料のアップロード、タイトル・公開設定・資料内容説明の変更、タグの追加などを期間指定で確認することができます。