資料:6件
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動機の錯誤
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(1)動機と意思を区別すべきか
動機と意思は区別するべきでないと考える。
なぜなら、動機と意思は、理論的には峻別できるものであるかもしれないが、現実的に考えるとその区別は必ずしも明瞭ではない。また、通常取引をする際に何が動機で何が内心効果意思であるかどうかを認識している人はほとんどいないであろう。
よって、意思と動機は、理論上区別することは考えられるが、実際の事例を扱う際に区別して考えることは妥当でない。
(2)「動機の錯誤」による意思表示の無効を認めるべきか
認めるべきであると考える。上で述べたように動機と意思を区別するべきではないという立場に立つところからは当然の帰結である。
加えて、動機の錯誤といっても他の錯誤と区別は必ずしも明瞭ではなく、その問題点である取引の安全を害する点においても共通するところから、動機の錯誤を認めることは許容されるし、実際の事例を見てみると、問題になっているのはほとんどが動機の錯誤であし、これを認める必要性がある。
よって、錯誤が動機にあったとしても、これによる意思表示の無効は認めるべきである。
(3)表意者保護と取引の安全をいかに調和させるか
この点については、それが動機の錯誤であるか意思の錯誤であるかで意思表示が無効となるか否かを判断するのではなく、錯誤主張の要件判断の際にその錯誤が当該法律効果を無効であるとすべきか否かを判断することにより、これらを調和させるべきと考える。
錯誤があるところが意思であろうと動機であろうと、取引の相手方がそのことを認識しているか認識できる場合はかなり少なく、考えにくいであろう。
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法学
動機の錯誤
要素の錯誤
表示行為の錯誤
内容の錯誤
意思形成上の錯誤
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民法;動機の錯誤
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この点、Xは贋作である甲を本物だと思い込み、本物であるから買おうと考えて、本件契約を締結しており、Xの意思表示の動機に錯誤がある。
それでは、このように意思表示の動機に錯誤がある場合にも、錯誤無効を主張することができるか。民法95条本文の「錯誤」に動機の錯誤も含まれるのかが問題となる。
この点、錯誤を効果意思と表示意思との食い違いであるとすると、効果意思の形成過程に思い違いがあるに過ぎない動機の錯誤は含まれないことになる。
しかし、現実に動機の錯誤が問題となる場面は多く、錯誤のある意思表示から動機の錯誤を除くと、95条の適用範囲が狭められてしまう。これでは表意者の保護として十分ではないと考える。
反面、動機の錯誤は全て95条の錯誤に含まれるとすると、動機を知り得ない相手方に不測の損害を与え、取引の安全を害する。
そこで、表意者保護と取引の安全との調和の見地から、動機が相手方に明示または黙示に表示された場合には意思表示の要素となり、95条の錯誤に含まれると解する(判例同旨)。
以上より本問を検討すると、本問のXは本物だから買う旨を明示して本件契約を締結している。したがって、Xの動機の錯誤は95条本文の「錯誤」に含まれると解する。
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動機の錯誤をめぐる諸見解
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1.
法律行為論の伝統的見解のもとでは,民法 95 条が錯誤無効の要件とする「要素の錯誤」
に「動機の錯誤」は含まれない。これは,そもそも,「錯誤」が,「表示行為に対応する効
果意思が存在せず,かつ表意者自身がこれを知らないこと」と定義されるため,「表示行為」
と一致する「効果意思」があれば,それら2つの要素と「動機」との間で齟齬をきたして
いる場合でも,「表示行為」と「効果意思」の一致,つまり真意に対応する表示があるとい
えるので,法律行為の効力は否定されないと考えられるからである。
「要素の錯誤」とは,一言でいえば,法律行為の重要な部分についての錯誤という意味
である。大判大正 7 年 10 月 3 日民録 24 輯 1852 頁によると,この「要素」とは「法律行
為の主要部分を指称するもの」とされ,これは「各箇の法律行為に於て表意者が意思表示
の内容の要部と為」す,つまり,具体的な個々の法律行為に即して判断されるべきもので
あるとされ,「若し此点に付き錯誤なかりしせば意思を表示せざるべく且つ表示せざること
が……至当なりと認められるるものを謂う」,すなわち,錯誤がなかった場合
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