資料:7件
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民法;動機の錯誤
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この点、Xは贋作である甲を本物だと思い込み、本物であるから買おうと考えて、本件契約を締結しており、Xの意思表示の動機に錯誤がある。
それでは、このように意思表示の動機に錯誤がある場合にも、錯誤無効を主張することができるか。民法95条本文の「錯誤」に動機の錯誤も含まれるのかが問題となる。
この点、錯誤を効果意思と表示意思との食い違いであるとすると、効果意思の形成過程に思い違いがあるに過ぎない動機の錯誤は含まれないことになる。
しかし、現実に動機の錯誤が問題となる場面は多く、錯誤のある意思表示から動機の錯誤を除くと、95条の適用範囲が狭められてしまう。これでは表意者の保護として十分ではないと考える。
反面、動機の錯誤は全て95条の錯誤に含まれるとすると、動機を知り得ない相手方に不測の損害を与え、取引の安全を害する。
そこで、表意者保護と取引の安全との調和の見地から、動機が相手方に明示または黙示に表示された場合には意思表示の要素となり、95条の錯誤に含まれると解する(判例同旨)。
以上より本問を検討すると、本問のXは本物だから買う旨を明示して本件契約を締結している。したがって、Xの動機の錯誤は95条本文の「錯誤」に含まれると解する。
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民法;詐欺・錯誤・暴利行為
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一 XがYとの間の契約をなかったことにするために考えられる法律上の根拠としては、a詐欺(96条)、b錯誤(95条)、c暴利行為(90条)が挙げられる。以下、これらにつき検討する。
a詐欺(96条)
1 XはYの詐欺による取消を主張することができるか。
(1) 詐欺とは、欺罔行為によって人を錯誤に陥れ、それによって意思表示
させることをいう。詐欺が成立するためには・・・
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