連関資料 :: 発達の概念や理論及び発達における諸問題について述べよ

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  • 発達概念理論及び発達における問題について述べよ
  • 発達の概念や理論及び発達における諸問題について述べよ。 1.はじめに  発達(Development)の本来の意味は「中に包まれていたものがあらわにされ、完全な状態へと変化していく」という語源的意味がある。 「発達」とは、受胎から死に至るまでの生涯にわたる連続的時間の経過の中で、生理的、身体的、精神的に様々な変化が生ずる。少なくとも誕生以後、成人になるまでの身長、体重、言葉、ものの考え方、遊び仲間、友人関係の変化などは誰でも気づいている現象である。発達とはこのような有機体(人間)の身体に生ずる良質的な変化や成長(心身の獲得的・衰退的変化)のことをいう。 発達は、人間が生まれつきもっているプログラムに沿って時間を追って変化していく過程である「成熟」と、生まれた後の環境の中での経験による変化である「学習」との両方の影響を受けて進んでいく。発達には、「量的側面」と「質的側面」がある。 量的発達とは、何らかの量の増減として表せる発達である。量的変化である身長の増加や体重の増加、語彙数はある程度の発達を遂げると止まる。身長や体重が著しく増加するのは乳児期から幼児期にかけて、また思春期にも著しい発達がみられる。語彙量は身長や体重に比べて比較的均等に発達をしていく。「アー」や「ウー」から始まり、喃語の習得、音声模倣、そして一語文が話せるようになり、段階を追って語彙量は増えていく。 しかし、語彙量の発達には個人差がある。子どもの育っている社会環境、家庭環境によって大きく左右される。例えば母親があまり子どもに話しかけずに育てたり、他人との交流をあまり持たせずに、テレビやゲーム等ばかりの環境の中で育ったりした子どもは、普通の子どもより圧倒的に語彙量が乏しい。また語彙力は、成人してからも個人の環境によっては発達するが、そのスピードは子どもの時期に比べてはるかに遅い。 また、質的発達とは第1に、何らかの量の増減として表せない発達である。また第2に、たとえ量の増減で表すことができても、短期間での急激な増減の次に長期間の停滞が繰り返され、先行する停滞期よりも後続する停滞期のほうが良い特徴を持つ発達のことをいう。そして第3に、量の増減で表せる特質も含めて、複数の特質が合わさった結果、より高いレベルの段階に達することである。質的変化には体型や文法構造、思考構造があるが、まず体型とは、身体各部の割合の変化である。   生後約2ヶ月で2頭身、生後約5ヶ月で3頭身、と徐々に変化していき成人したときには約6から8頭身となる、思春期の男性的あるいは女性的な身体つきになっていくこと。次に文法構造とは、ある程度言葉を習得すると、一語文から二語文、多語文や従属文から文章構成へと変化していくことである。また思考構造とは言い換えると、感覚運動段階から前操作段階へ、前操作段階から具体的操作段階へ、そして形式的操作段階へ変化することである。 「発達段階」とは、他の年齢時期とは異なる特徴を持っている年齢時期のまとまりをさす。また、それぞれの発達段階において、「人間が健全で幸福な発達を遂げるために各発達段階で達成しておかなければならない課題」であり、「次の発達段階にスムーズに移行するために、それぞれの発達段階で習得しておくべき課題」があると教育心理学者のJ.ハヴィガーストは考え、これを「発達課題」とした。様々な心理学者がそれぞれの発達課題を提言しているが、その内容は一様ではない。 以下に著名な人物の発達段階説を挙げ、それぞれが抱える問題点について考察する。 2.ピアジェの発達段階 ピアジェは次の4つの段階
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  • 発達概念理論及び発達における問題について述べよ
  • 「発達の概念や理論及び発達における諸問題について述べよ。」 1、はじめに  「発達」とは、受胎から死に至るまでの生涯にわたる心身の獲得的・衰退的変化をいう。発達は、人間が生まれつきもっているプログラムに沿って時間を追って変化していく過程である「成熟」と、生まれた後の経験による変化である「学習」との、両方の影響を受けて進んでいく。  発達には、「量的」側面と「質的」側面がある。量的な発達とは、身長の増加や体重の増加、語彙数の増加といった、何らかの量の増減として表せられる発達を指す。また、質的な発達とは、思春期には男性的あるいは女性的な身体つきになっていくことや、言語を伝達の手段のみとしてではなく、思想や自己の行動コントロールのために用いるなどの量では表せないが、明らかな質的な差異がある発達を指す。 「発達段階」とは、他の年齢時期とは異なる特徴を持っている年齢時期のまとまりをさす。 また、それぞれの発達段階において、「人間が健全で幸福な発達を遂げるために各発達段階で達成しておかなければならない課題」であり、「次の発達段階にスムーズに移行するために、それぞれの発達段階で習得しておくべき課題」があると教育心理学者のJ.ハヴィガーストは考え、これを「発達課題」とした。様々な心理学者がそれぞれの発達課題を提言しているが、その内容は一様ではない。  以下に著名な人物の発達段階説を挙げ、それぞれの問題点について考察する。 2、J.ピアジェの発達段階説  ピアジェは、子どもの認識能力の発達を研究し、次の4つの段階区分を提起している。 ①感覚運動期(生後2年間):言葉や記号を使わないこの時期には、実際に見たり触ったりして、自分の身の回りに起こっていることを理解し、外の世界と自分が別々であることに気づく。また、生得的な反射が身体活動の中心である時期から、自発的な身体活動が急激に増大する。さらに、自分の身体活動がもたらす外界の変化を再生させるために身体活動を反復する、「循環反応」が現れる。これは感覚と運動の結びつきが発達しているからである。 ②前操作期(2~7歳):この段階からは、思考に直接的な身体活動を必要としない、表象的思考期となる。この時期には、直接目の前にないものをイメージとして構成することのできる象徴的思考が芽生える。しかし、まだまだ物の見かけによって惑わされやすく、複数の観点から物事の特徴をつかむことは苦手である。自分の立場からしか物事を理解できず、相手の立場に立つことができない「自己中心性」をもっている。この時期には、以上のような直感的思考が支配的となる。 ③具体的操作期(7~11歳):この時期には、具体的状況や日常的活動において、論理的思考ができるようになる。自己中心性も減退する。また、ものの数や量、重さなどは、それを増減しない限り、変化しないといった概念(保存)を認識する。  このように、かなり論理的な思考ができるようになるが、物事の見かけに左右されやすく、抽象的な思考はまだ簡単にはできない。 ④形式的操作期(11歳~):この時期には、具体的内容を無視して論理的操作の思考ができるようになる。このような形式的操作による思考を、仮説演繹的思考と呼ばれる。以降、絶対的な知識の量を増やしていくことはできるが、考え方の形式自体は完成する。 ピアジェの発達段階説の問題点:子どもの発達は年齢だけに左右されず、環境や訓練によって人為的にコントロールすることができるが、ピアジェの発達段階説にはこの要因に対する説明がなされていないと指摘されている。また、現在、子どもの能力
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  • 発達概念理論及び発達における問題について述べよ
  • 「発達の概念や理論及び発達における諸問題について述べよ。」  「発達」とは、受胎から死に至るまでの生涯にわたる心身の獲得的・衰退的変化をいう。発達は、人間が生まれつきもっているプログラムに沿って時間を追って変化していく過程である「成熟」と、生まれた後の経験による変化である「学習」との両方の影響を受けて進んでいく。発達には、「量的側面」と「質的側面」がある。量的な発達とは、身長の増加や体重の増加、語彙数の増加といった、何らかの量の増減として表せられる発達を指す。また、質的な発達とは、思春期には男性的あるいは女性的な身体つきになっていくことや、言語を伝達の手段のみとしてではなく、思想や自己の行動コントロールのために用いるなどの量では表せないが、明らかな質的な差異がある発達を指す。  「発達段階」とは、他の年齢時期とは異なる特徴を持っている年齢時期のまとまりをさす。個体の発達過程がなだらかな連続的変化だけでなく、飛躍的に進行する非連続的変化をも表すと考えるとき、相互に異質で独自の構造をもつとされる一定の区分された時期のことである。ある時期に飛躍的に質的な変化が起こるのだとし、階段を上っていくような過程であるといえる。ここでは、ピアジェ、フロイト、エリクソンの発達段階を述べ、それぞれが抱える問題について考察する。  1ピアジェの発達段階  j.ピアジェは次の四つの段階区分を提起している。①感覚運動的段階(生後の2年間)初めのうちは言葉や記号を使わないので、見たりいじったりすることをとして活動の体系的システムが形成されていき、やがてそのような活動自体が子どもの頭のなかで行われるようになっていく。②前操作の段階(2~7歳)この時期の前半では以前見たことのある他者の行為を自分自身でやってみるという延滞模倣ができるようになる。後半になるとかなり概念化が進むが、まだ物の見かけによって惑わされやすい。また、自分の立場からしか物事を理解できず、相手の立場に立つことができない。ピアジェはこれを自己中心性と呼んでいる。③具体的操作の段階(7~11歳)子どもの思考がまとまった体系に組織化され、具体的状況や日常活動においてなら、理論的な思考ができるようになる。④形式的操作の段階(11歳~)子どもは徐々に具体的内容から離れても理論的操作の思考ができるようになる。  ピアジェの段階説に対しては、それぞれの段階間の移行のメカニズムについて説明がなされていないこと、ある段階に達していない子どもでも、教育によってその段階の操作の形式を獲得することが可能であることの説明がなされていないことなどの問題点がある。  2フロイトの発達段階
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  • 発達概念理論及び発達における問題について述べよ。」
  • 「発達の概念や理論及び発達における諸問題について述べよ。」  人は学習したり、色々なことを経験することによって、成長する。これを発達という。 発達研究の祖、ピアジェは赤ちゃんから子供までを観察することによって、人は、生まれ持った生得的知識(シェマ)を元に様々なことを行い、もしもその知識が間違っているようなら修正し(同化・調節)、それによって、成長していく、という理論を組み上げた。そして、それにあう発達の段階を考え出した。 1.ピアジェの発達段階 ①〈発達段階〉感覚運動期/〈年齢〉乳児期  言葉などを使うことは出来ない。あくまで、触ったり、重さを感じることで世界を知る。 ②〈発達段階〉前操作期/〈年齢〉幼児期 言葉が少しわかるようになる。言われたことを頭に浮かべることはできるが、行動には出来ない。イメージ主体で世の中を理解する。。 ③〈発達段階〉具体的操作期 〈年齢〉小学生~中学生前半 ある程度論理的に考えられるようになる。ただし、具体的に目の前にあるものに限るので、指を使って1+2=3はできるが、頭の中でそれをすることが出来なかったりする。 ④〈発達段階〉形式的操作期/〈年齢〉青年  目の前にないものでも論理的に考えられるようになる。過程や抽象的なものも扱える。 このピアジェの考え方を元に今の発達研究は始まった、と言っても過言ではない。ピアジェはこのように行動と発達を結びつけたが、心的成長と発達を結びつけた学者も多数いる。 その一人がボウルビーで、この考えによれば、赤ちゃんは「大事な人」(=保護者など。一般的には母親)との間に、愛着(アタッチメント)の関係を形成することが、後の心理的発達に重大な影響を及ぼす、と述べている。 また、ボウルビーが愛着理論を述べたとき、それは3歳までに完成されるべきものだ、と言ったため、それが後に「3歳児神話」をもたらした。 このように愛着という考えが入ったことにより、発達はより心理学的なものになったといえる。また、精神科医、フロイトも、自身の「精神分析的人格理論」にのっとって、彼なりの発達段階を作り上げている。 2.フロイトの発達段階 ①〈発達段階〉口唇期/〈年齢〉乳児期  なんでも口に持っていく時期。うまくこの時期を終えないと、甘えるようになる。 ②〈発達段階〉肛門期/〈年齢〉幼児期  トイレトレーニングができるようになることで、自分の意思でコントロールができることを得る。うまくいかないと、消極・内向的になるという。 ③〈発達段階〉男根期/〈年齢〉幼稚園時代  男女とも、男性器に対して関心を持ち、また、異性の親を自分のものにしたい、と思う。男の子の場合、母親を手に入れたいと思うエディプスコンプレックス、女の子の場合、父親を手に入れたいと思うエレクトラコンプレックスを起こす。この時期をうまく終えないと、自我(ego)、超自我(super ego)の発達に問題を起こし、思春期以後、様々なトラブルを引き起こす。 ④〈発達段階〉潜在期/〈年齢〉小学校時代  心理的には変化がなく、比較的安定。第2次性徴が始まるまでの間の時期で、性衝動(リビドー)はあまりなく、異性に対しての関心も薄い。 ⑤〈発達段階〉性器期/〈年齢〉思春期  性に対する本能が復活し、異性に対しての関心も高くなる。リビドーも内からこみ上げるようになり、そのコントロールの際、今までに得た超自我の強さが問われる。自我や超自我が弱い場合、心的な活動の源であるイド(id)に屈することになる。 フロイトのこの考えは心理的な問題をそれまでの過去と結びつけようとしたものであ
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  • 発達概念理論および発達における問題について述べよ。
  • 発達の概念や理論及び発達における諸問題について述べよ。  「発達」とは、人間が生涯を通じて、何らかの意味で望ましい方向へと変化し、成長していくことをいう。また、質的な発達を示す階段の一段一段を「発達段階」と呼ぶ。そして、段階の順序や、各段階の特徴や、段階移行のメカニズムに関して、多くの人間にある程度共通するような法則を捉えられれば、ひとつの発達段階説を打ち立てることができる。  次に、著名な発達段階説について考察する。  1.J.ピアジェの発達段階説  J.ピアジェは、子どもの認識能力の発達を研究し、発達段階を次の4つに区別した。  ①感覚運動期(通常2歳頃まで)、言葉ではなく身体を通して自分の外の世界に何度も働きかけるうちに、外の世界と自分とが別々だということが分かってくるだけでなく、感覚と運動とが結びついた行動パターンが出来上がってくる。それがその後の認識や思考の土台となる。また、生後7ヶ月頃までは、「生物の永続性」がわからない。  ②前操作期(2~7歳)、書物を絵や言葉に置き換える象徴的思考が芽生える。しかしまだ、その時その場にとらわれて物事を考えるので、「いつでも…だ」「
  • 心理学 臨床 発達
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  • 発達概念理論及び発達における問題について述べよ。
  • 1. 発達の概念 心理学における発達とは、一般に受精から死に至るまでの人の心身、及びその社会的な諸関係の量的及び質的変化・変容をいう。 経験により獲得した知識、理解により自分の行動、態度を微調整していく事が出来る事を学習という。この特殊なものは、学校教育の中で得られる。学習は人生の前半にのみあるものではなく、健忘症、物忘れなど人生の後半では負の学習というものも存在する。 発達には量的側面と質的側面があり、区別して考える事が出来る。 量的側面では何らかの量の増減として数値で表せる発達である。中でも特に急激な飛躍のない連続的な変化であるものを指すのが自然である。緩やかな曲線を描いて変化していく。身長、体重、内分泌腺の重量などの正常な推移、覚えた語彙数の増加などがこれにあたる。 質的側面では、まず何らかの量の増減として数値で表すことの出来ない発達である。ないしは量の増減で表す事ができても、短時間での急激な増減の次に長時間の停滞が続くよう事が繰り返されれば、全体として階段状の変化になる。その際先行する停滞期よりも後続する停滞期の方がよい特徴を持つ場合は、質的な発達とみなす事が出来る。 2.発達の理論 発達の理論については現在、各研究者の独自の基準でいくつかの理論が設定されている。例えば認知発達に関するピアジェ、精神分析理論に基づくフロイト、フロイトの段階理論を継承し心理社会的危機に注目したエリクソンの人格発達論が知られている。 ピアジェは乳幼児から12歳の児童まで
  • 大学 レポート 心理学 発達 発達心理学 ライフサイクル
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  • 発達概念理論及び問題について述べよ
  • 「発達の概念と理論及び諸問題について述べよ。」  人間の生涯のうちに起こる、心身に関するさまざまな変化のことを「発達」という。赤ちゃんが歩くようになったりすることを「積極的発達」、年を老いて足腰が衰えていくことを「消極的発達」という。今では、環境と遺伝の相互作用により、発達していくという考え方が主流である。 「発達」がどのように進んでいくかを促えることについて、量的・質的側面からの、見方がある。量的発達とは、何らかの変化を量的な増減でとらえることであり、急激な飛躍がない連続的な変化による発達である。例えば、体重や身長などの増減が量的発達にあたる。質的発達とは、量的な増減で表すことのできない、人としてより有能なものへと変化していくことであり、ある時期に飛躍的な変化が起こり、段階的に発達していくことである。例えば、はいはいしていた子が、つたい歩きするようになり、さらに何にも頼らず歩けるようになる移行が質的発達にあたる。 こうした質的な発達を、「発達段階」と呼ぶ。S.フロイトとE.H.エリクソン、J.ピアジェらは、発達段階説において、「発達は、ある力を獲得すると、飛躍的に変容する階段状の傾斜を上るようなものだ」とする考えを唱えた。 【S.フロイト発達段階説】 フロイトによれば、性的欲動(リビドー)は思春期から始まるのではなく、すでに乳幼児期から存在しているものであり、その性的欲動は一時期、無意識に抑圧され、思春期になると再び出現すると想定した。そして、この性的欲動が満たす身体から、発達段階を考えた。発達段階において、性的欲動が十分に満たされなかったり、過剰に刺激されたりすると、その段階で心理的に固着し、さまざまな不適応がもたらされるとした。 各発達段階と性格の特徴としては、口唇期(生後から1.5歳)には、乳児は母乳を吸う行為を通して環境の交流が図られる。この段階での固着は、依存的で受動的いった口唇性格の形成と深い関係をもつ。肛門期(1.5歳から3歳)には、排泄機能のコントロールを通して、環境への主張的で機能的姿勢が芽生える。厳しい排泄訓練は固着をもたらし、頑固、潔癖という肛門性格を形成する。エディプス期(3歳から5歳)には、異性への関心が芽生え、異性の親に関心をもち、同性の親を憎むようになる。また、同性の両親からの性的役割を獲得する時期でもある。潜伏期(5歳から12歳)には、性的欲動はエディプス・コンプレックスをめぐり強く抑圧される。思春期以降に再び出現するまでの間潜伏する。性器期(16歳から)には、これまでの口唇、肛門、男根の部分的欲動が統合される。 フロイトの発達段階説には、次のような問題点が挙げられる。フロイト自身は、無意識領域の性衝動が生じるメカニズムについてどのように考えていたのだろうか。フロイトは、無意識の領域が意識に及ぼす作用面においては鋭い分析を行なったが、無意識そのものの存在価値や根源的な発生のメカニズムについてはあまり言及していない。フロイトの、性衝動の存在を見事に見抜き、自我とリビドーとの葛藤状態を精神分析によって修正し、正常な自我のコントロールのもとにリビドーを置くようにする、という治療方法は理解できる。しかし、人間の真相に迫ったり、人格を向上させたり、人間の感性の究極に至って超越的なものに触れるという次元にまで、突き進む事はできないのである。フロイトは、あくまでも精神を対象とした分析をしたのであり、その奥の次元へ進む考えは基本的になかったのではないか。 【E.H.エリクソンの発達段階説】 E.H.エリクソンは、「人間は心理的、
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