資料:2件
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地域商業の再生とサステイナブル・コミュニティ
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近年の日本の流通政策は大きな転換期を迎えている。98年の「大店法撤廃」とそれに代わる新たな法律として「大店立地法」が制定された。この背景としては、政府が推進する規制緩和や新自由主義路線の影響が大きい。このような政府の政策によって、近年中小小売業やその集積である商店街は大打撃をうけており地域商業の衰退が著しくなっている。
日本の「大店立地法」のモデルとなったのはアメリカであるが、以下では、まず、そのアメリカにおける小売業の現状を述べていく。アメリカでは、ゾーニング制度の導入によって商業立地規制をしようとした。ゾーニング制度は用途地区制に基づく規制で土地の適切な利用を目的としたものである。このゾーニング制度による流通規制は、ピラミッド社の例に見られるように地域での実際の運用のあり方如何で流通規制は可能であったが、その後のレーガン政権の政策によって消滅した。それゆえアメリカでは「地域社会を守る」という「公共の原理」よりも「市場=競争=消費者利益の原理」が優位にたつ結果になった。レーガンの規制緩和政策によって、アメリカはメガ・コンペティションへの突入し低価格競争、徹底した情報化(POSシステム)の波が生じた。この結果、GMSなどの旧来型の業態は全般的な業績不振に落ち込み、他方では徹底した低価格訴求戦略を志向する新業態の発展が見られることになった。このような「弱肉強食の」競争が進む中で大幅な人員削減、小売業の倒産が進み、大型小売業同士の競争も激しくなった。また、アメリカの小売業の成長戦略は国民経済の枠組みを超えて世界戦略にまで進展し、「国際的ブランド」の競争力を基盤に世界標準を重視した海外展開を追及している。しかし、これは一国の経済や地域商業に打撃を与えるものになっているのである。
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