英語と日本語の文法構造または語彙構造を比較
対照し、両者の違いを論ぜよ。
言語は一定の意味をなす最小単位の音声(語)の連続したものが一定の規則に従って構成されている。したがって、その組み合わせ方つまり文法の相違によって言語が体系化されている。英語と日本語を比較したとき、その起源も特徴もかなり異なるため、共通した事項は少ない。文法から見れば、動詞、形容詞、名詞など基本的な品詞から文が構成されていることぐらいしか共通することはないだろう。
文法構造においてまず決定的に異なる点は語順である。日本語の場合は主語+修飾語+述語が、英語は主語+動詞+目的語(補語)が基本的な構造である。そのため日本語では語から語への修飾は、文の最後にある述語(動詞)に向かって係るのに対し、英語は形容詞による名詞への修飾(white cat等)以外はsomething to drinkなど不定詞による修飾や関係詞を使う修飾など動詞を後ろから付け加えるような形で修飾することが多い。したがって日本語の文では語数が多いと間延びして意味不明になることが多いが、1文40語~50語の英文はよく見受けられる。
また、時制についても大きく異なる。英語は現在・過去・未来時制にそれぞれ基本・進行・完了時制の詳細な区分があるが、日本語ではその区分は曖昧である。過去時制を例にとると、過去形は動詞の原形を屈折させ(play→played,make→made等)、過去進行形はbe動詞+動詞の現在分詞、過去完了形はhad+動詞の過去分詞、と明確に形態が変化する。例文を挙げると、I learned English.(過去形)、I was learning English. (過去進行形)、I had learned English.(過去完了形)となる。しかし日本語で過去時制を分類すると、「私は英語を勉強した」(過去形)、「私は英語を勉強していた」(過去進行形・過去完了形)になるが、後者でも過去形の表現は可能であり境界線は曖昧である。さらに過去進行形と過去完了形はどちらも上記の後者例文のように訳出するのが一般的でその区別はできない。
時制と関連して、仮定法の表現も重要である。日本語では「~ならば~だ」という形式で修飾語の使用あるいは語尾の変化によって意味を使い分ける。英語は仮定法未来、仮定法現在、仮定法過去、仮定法過去完了があり、いずれも動詞の屈折と依存語によって表わされ、時制の一致が重要になる。
仮定法未来、仮定法現在は、現在においての仮定を表すが、仮定法未来はshouldやwere toを用い、ほぼ実現不可能なことを表し、仮定法現在は動詞に原形を用い、その実現性が不確かなことを表す。今では仮定法現在はほとんど用いられず、直接法で表すのが普通になっている。例えばIf it should rain tomorrow, I will (would) stay at home.(仮定法未来)の場合、明日雨が降ることはまずないが、If it rains tomorrow, I will stay at home.(直接法)の場合、雨が降るかどうかは不確定となる。
仮定法過去も現在のことを表す仮定であるが、「事実に反すること」を表すときに用いられる。日本語で、「もし時間があったら行きます」と言われたら行くか行かないかはっきりしないが、英語では文の形態で区別できる。直接法でIf I have time, I will go today.と表せば、行くという前提になり、仮定法過去で I
英語と日本語の文法構造または語彙構造を比較対照し、両者を論ぜよ。
日本語と英語の間には、文法、単語間の関係、また文における重点の置き方など様々な相違点が存在する。しかしながら、これらの相違点を比較対照していく前に、触れておかなければならない要素として、語順の違いがある。この語順の違いというのは、日本語における「住所氏名」の表記方法と英語における表記方法を比較するとわかりやすい。
日本語において、「住所氏名」はこの言葉の通り、住所から始まって名前で終わるという形式をとっているが、英語の場合は、「name & address」という通り、個人名、苗字、番地、市、州、国という順番で表記される。ここで見られる日本語の「全体から部分」という関係と、英語の「部分から全体」という関係は、英語と日本語の文構造にも現れており、例として前置詞を使った文を下記に挙げてみる。
「in/の中に」
英 語:There are five rooms in the house.
(部分) (全体)
日本語:家の中に、五つの部屋があります。
(全体) (部分)
この二つの文からもわかる通り、英語