資料:10件
胃癌
胃癌
■疫学
・男女比2:1
・好発年齢60歳代後半で、高齢化しつつある
・部位は、幽門部(下部)、胃体部(中部)、胃底部(上部)の順に多い
・原因は不明だが、食生活を中心とした生活環境、喫煙、増悪因子としてヘリコバクタ
ー・ピロリ感染が誘因の1つとして考えられる
■病態
・胃癌のほとんどは腺癌
・胃壁の層は、粘膜層(M)、粘膜下層(SM)、固有筋層(MP)、漿膜下層(SS)、漿膜(S)の5
層に区分される
・粘膜層から発生した癌は粘膜筋板(MM)を破り、粘膜下層~漿膜へと侵潤する。粘膜下
層まで侵潤するとリンパ節転移の可能性が生じる。さらに漿膜に達すると腹腔内に癌
細胞が散布(腹膜播種)されたり、隣接臓器に侵潤する可能性が生じる
■転移
血行性転移 ・癌細胞が新生血管に入り込み、血液中を流れて、全身の各臓器に
運ばれる
・胃壁の静脈より血行に入り、肝、肺、骨(骨髄)、脳や皮膚などへ
転移する
リンパ行性転移 ・胃壁のリンパ管に入った癌細胞が、リンパ流によって運ばれ、遠
隔リンパ節に転移する
・大動脈周囲のリンパ流から胸管を経由して左鎖骨上リンパ節へと
転移する(ウィルヒョウ転移)
腹膜播種性転移 ・漿膜を突き破った癌細胞が腹腔内に遊離して、腹腔内の腹膜に生
着して転移する
・癌性腹膜炎となり、腹水が出現する。ダグラス窩へ転移するシュ
ニッツラー転移がある
・胃癌が卵巣へ転移するクルッケンベルグ転移が有名であるが、血行性、リンパ行性の転移とも考えられている
医療
胃癌
がん
看護
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胃癌 の病態
癌の病態
わが国における胃癌の頻度は世界的にみても高く、最近では減少傾向にあるとはいえ最も頻度の高いがんの1つである。わが国における胃癌の男女比はほぼ2:1であり、50~60代に最も好発する。健診の普及に伴って、無症状の状態で発見される頻度も増加している。好発部位は前庭部・胃角部で胃体部がこれに次ぐ。上部胃での発生頻度は比較的低い。なお、組織型はほとんどが腺がんである。
●原因●
胃癌の発生原因は未だに明らかにされていない。しかし、一部の腺がんでは遺伝子が関与している事が明らかになっている。前がん病変としては、胃潰瘍・胃線腫性ポリープ・慢性胃炎。悪性貧血などがあげられる。最近では、ヘリコバクターピロリが関与しているとの報告もなされている。
●病型●
がんの湿潤が粘膜内または粘膜下層に限局しているものは早期胃癌と呼ばれる。がんの大きさやリンパ節転移の有無は、早期胃癌の定義には関係しない。早期胃癌の手術成績は非常に良好で5年生存率は粘膜内がんでは90%以上、粘膜下層がんでは80%以上である。一方、がんの湿潤が粘膜下層を越えるものは進行がんと呼ばれ、術後成績は深達度リンパ節転移の有無にもよる
がん
転移
治療
方法
原因
細胞
分類
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胃癌 看護過程
目次)
1. 解剖生理
A) 解剖
B) 生理
2. 病態生理
A) 胃がんとは
B) 症状
C) 主な成り行き
D) 進展形式
E) 検査・診断
F) 治療・予後
G) 周術期管理、クリニカルパス、術後フォローアップ
H) 幽門側切除術、胃全摘術の看護
3. 壮年期の特徴と保健問題
A) 壮年期の特徴
B) 壮年期の保健問題
がん
細胞
発達
電子
医療
高齢化
化学
神経
治療
問題
看護
医学
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胃癌 の病態整理
胃癌の病態生理
胃癌は、胃粘膜から発生する悪性腫瘍である。
胃癌の進展度は、胃壁の各層への進展で表現されている。進行の程度によって早期胃癌と進行胃癌に分けられる。
早期胃癌・・・がんの浸潤が粘膜または粘膜下層までのもの
胃癌の30~50%を占め、良好な予後が期待できる
早期胃癌の分類
早期胃癌は、粘膜面から所見によって3つの基本型に分類される。すなわち、癌が正常粘膜面よりも2倍以上のかたまりを示しているものをⅠ型、正常粘膜面からの凹凸が軽度であるものをⅡ型、そして潰瘍形成性のもの(陥凹型)をⅢ型としている。また、Ⅱ型はさらに3亜型に分類されている。すなわちⅡa型は粘膜面からの軽度の隆起を示すもの、Ⅱb型は粘膜面と同じ高さのもの、Ⅱc型は粘膜面より軽度の陥凹がみられるものである。早期がんはこれらの分類を組み合わせたり(たとえば、Ⅱa+Ⅱc,Ⅱc+Ⅲなど)単独で用いることによって表現される。
進行胃癌・・・がんの浸潤が粘膜下層を越えるもの
周囲臓器への浸潤や遠隔地への転移を起こしやすく、予後は悪い
進行胃癌の分類
肉眼的には、1型~4型にわけられる。この分類はボールマン分類とよばれていたものと同じ内容である。
1型(腫瘤型)は孤立限局性・隆起性の病変で、潰瘍形成のみられないものであり、2型(潰瘍限局型)は著明な壁状の周堤を形成し、中心部に潰瘍のみられるものである。3型(潰瘍浸潤型)は一部には潰瘍を伴う隆起性の変化を示すが、一部にはびまん性の浸潤を示すものをいい、4型(びまん浸潤型)はびまん性に浸潤しているものをいう。
病理学的には、腺管を形成する程度により、高分化型腺がん(乳頭状腺がん・管状腺)と低分化型腺がん(低分化腺がん・印環細胞がん)に分けられる。
高分化型腺がんは高齢者に多く、進行癌の場合は、肉眼的にはボールマン1~3型を示す。また、低分化型腺がんは3ないし4型を示し、若年者や女性に多くみられる。
好発部位は前庭部・胃角部で胃体部がこれにつぐ。
上部胃・胃体部大彎の発生頻度は低い
転移で多いのは、リンパ行性転移、肝転移、腹膜播種性転移があり、三大転移とよばれている。
リンパ節転移やほかの臓器への転移の有無を加えて、癌の進行度を総合的に判断し、これらをstage1~stageⅣbまで分類している。
原因
胃癌は、胃炎などの炎症が起きた後、粘膜に置き換わり、その粘膜が癌化して発生する。
従って、慢性胃炎を起こす要因はすべて胃癌の原因でもある。
症状
胃は、大きな臓器ということもあって、胃癌には特有の自覚症状がない。そのため、発見が遅れることが多い。癌が進行しても全く現れないこともある。また、20~30歳の女性の場合は、胃癌の進行が早いといわれている。
早期胃癌の多くは、痛みや出血(吐血、黒色便)、胃部不快感などの症状がある。胃炎や良性の胃潰瘍症状に伴う検査をして偶然見つかることもある。
一方、進行胃癌では、痛みとともに、食べ物が通りにくい、体重減少、貧血などの症状がある。
また、好発部位によっても症状に特徴がある。噴門部やその付近の進行胃癌では狭窄症状がある。胃体部の進行癌は、症状が出にくいため、さらに進行してから発生することもある。
胃癌の検査・診断・治療・予後
1960年代から、胃癌検診が開始された。一般に40歳以上が適応とされる。年に一度、市町村や職場の検診、人間ドッグを受診することを勧められる。
X線造影法
癌の浸潤範囲と深達度を診断するために、造影剤(バリウム)を用いて、病巣部の詳細な変化を見る。
レポート
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胃癌
基礎看護学
症状
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癌
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胃癌 の自然史
○胃癌の自然史を知る目的
臨床的視点から胃癌の自然史を知る目的として
〔1〕 微小な早期癌の発見効率を高める
〔2〕 発育速度の速い、悪性度の高い癌の特徴を知る
〔3〕 胃癌の発育速度から、検診の検査間隔を設定する
〔4〕 胃癌のうち穏やかな発育をするものを内視鏡的粘膜切除術の適応に設定する
などが考えられる。
○ 早期胃癌の経過観察
内視鏡生検で早期がんと診断され、6ヶ月以上追跡された71例を対象とした観察で、56例が長期間追跡された。経過中、20例は早期胃癌のままであったが、36例は進行癌へと進展した。早期癌から進行癌への進展に要する時間は44ヶ月であり、5年間の観察期間中進行癌へ移行する累積確立は63%と見積もられた。また、手術がされなかった38例の5年間の累積死亡率は37%と見積もられた。この結果、早期胃癌は放置されると死に至る疾患であるが、その発育経過にはばらつきがあり、比較的穏やかであると考えられた。
(Tsukuma.H et al:Natural historyof early gastric cancer. Gut 47:618-621 2000)
○胃癌の進展様式
胃癌を肉眼像、進達度、組織型等の特徴で分類して観察した研究から、
〔1〕胃癌の発育速度を左右する最大の要因はsmに浸潤するか否かである
〔2〕組織異型度の低い隆起型腫瘍の中に、除じょに水平方向へ増大し異型度が明瞭な癌になる病変が存在する
〔3〕未分化型癌は分化形癌に比べて垂直、水平方向への進展が早く、リンパ節転移を起こしやすい
〔4〕隆起形は、潰瘍非合併陥凹型に比べて発育が遅くリンパ節転移を起こしにくい
などといったことが提唱されている。
長期間の観察で早期癌に留まっていたものは、すべてm癌であり粘膜筋板がbarrierの役割を果た
すことが推測されている。
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