「条件文句に用いられたwere to叙想法と叙想法未来(叙想法代用のshould+原型不定詞)とを比較考察しなさい。」
条件文句に用いられたwere to叙想法と叙想法未来(叙想法代用のshould+原型不定詞)はどのように使い分けることができるのであろうか。使い分けを明確にするためには双方の用法、使用条件をまず明確にする。
were to 叙想法
were to 叙想法は未来時に言及して殆ど起こりえないことに就いての仮定を表すとの誤信がある。条件文句に用いられたwere toは人や物が実際に文中の内容を実現可能時も不可能時にも使用することができる。ではwere toはどのように使用しているのか明確に使用方法を分けて言及する。
Were toを説明するに当たって仮定法過去
(A)仮定法過去(例えば、If he ran all the way, …)には2つの用法があり、次の(1)と(2)のどちらにも解釈できる場合がある。1つは、(1) if節が「ありそうもないこと」を表す場合で、例の場合、but I don’t think he willの含みに取れる。もう一つが (2) 「if節が「現在の事実に反すること」を表す場合であり、例の場合、but he doesn’tの含みとも見られる。このようなあいまいさを避けるために、(1)に対しては以前にはwere to を使ったことがあった。現在では、このwere to はやや硬い表現と考えられており、おもに書きことばにだけ使用されている。
(B)仮定法過去というと、とかく(2)の用法だけが大きく扱われているが、現在または未来における「ありそうもないこと」を表す(1)の用法もあることに注意しなくてはいけない。
(C)なお、were toであるが、2つの用法のうち(1)の用法にだけ使われるということから、このwere to は話の内容が事実上、ありうることでも、ありえないことでも「(そんなことはあるまいが)仮に…するとしたら」という仮定の条件を示す表現であることがわかる。
(D)2つの用法のうち(1)の用法においては、過去時制の代りにwere to を用いることができる。
If she offered him £500 (もし彼女が彼に500ポンド提供すれば)
= If she were to offer him £500
were toの意味は実現可能か不可能どちらか、と問われれば結論的には実現可能である。しかし、were to 叙想法の核心的意味は条件が全くの仮定であることを強調することでありその条件内容の実現、非実現は問題でない。
下記に例文を挙げる。
When would happen if we were to lose the secret of making fire? (引用・ 江川泰一郎 著『英文法解説』以下、引用英文全て同参考文献)
(仮に人間が火をおこす秘訣を忘れたとしたら、どうなるであろうか)
If all the Antarctic ice were to melt, the level of the seas would rise to down most of the seaports of our planet. (引用)
(もし南極の氷が全部解けるようなことがあれば、海の水位が上がって地球上の港の大部分は水没するだろう)
口語ではときにwas to が使われることもある。
Who do you think would take over if he was to resig
条件文句に用いられたwere to叙想法と叙想法未来(叙想法代用のshould + 原形不定詞)とを比較考察しなさい。
設題で与えられた比較考察をする前に、まず条件文句とは何か、その定義付けから始める。条件文句は条件の副詞文句とも呼ばれ、接続詞ifやunless(= if …not)のほか、群接動詞on condition (that), in case (that), suppose(= supposing)(that), provided (that), granted (that)などや、口語ではso only, so that, so long as(いずれもif onlyと同義)などに導かれる文章のことである。つまり条件文句とは、「もし~ならば・・・だ」という文章の、「もし~ならば」の部分であると捉えれば間違いはないであろう。
条件文句の述語動詞は、その帰結、つまり主文句の述語動詞と関連させて考えなければならない。条件文句と主文句からなる分を条件文というが、この条件文は以下の3種類に分類される。
或る事を事実として、一般論として仮定して、そこから帰結を引き出す文。条件文句