多文化共生社会の構築にとって、
どのような諸課題があるかを述べよ。
1、多文化共生社会とは
多文化共生社会とは「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていく」社会であると定義され、多様性にもとづく社会の構築という観点に立ち、外国人や民族的少数者が、それぞれの文化的アイデンティティを否定されることなく社会に参加することを通じて実現される、豊かで活力ある社会であるとされる。
多文化共生の考え方は、一部のNGOや自治体の間で浸透しつつあるが、一般の日本人がそうした認識を共有しているとは言い切れず、日本に住む多くの外国人の生活は厳しいものであることは否めない。グローバル化のさらなる進展、および本格的な人口減少を考えると、わが国の外国人住民施策は、既に一部の地方自治体のみならず、全国的な課題となりつつあると言える。 このような中、外国人労働者政策、在留管理の観点からの検討だけではなく、外国人住民を生活者・地域住民として認識する視点から、外国人の地域社会への参加を促し、日本人住民にも働きかけて、多文化共生のまちづく...