日本国憲法と人権の歴史的背景
日本国憲法とは第二次世界大戦のあと、GHQの指導の下に作成されたものであり、憲法を持
つことは近代国家の一条件であるといっても過言ではない。
一般に日本国憲法の原則は国民主権、基本的人権の尊重および平和主義の三点であるとい
われている。しかし、日本国憲法をはじめとした近代国家の憲法制定の最大の目的は人権
の保障であり、国民主権および平和主義はその目的を達成するための手段および前提であ
ると考えられる。
基本的人権の尊重とは、平たく言えば、個々人ひとりひとりが自由で平等に生きることが
できる権利を大切にする、ということであり、この「自由」で「平等」であることこそが
憲法の最大の目的であり、争点になる部分でもある。
そして、この基本的人権を支える「自由」と「平等」こそが、近代国家の特徴であり、そ
の獲得には様々な歴史的背景が潜んでいる。
近代国家の人権思想の礎になったものは、言うまでもなく近代欧米で相次いだ人権革命で
ある。人権についての歴史を紐解くとき、13 世紀のイギリスで発行されたマグナ・カルタ
が挙げられるが、厳密にいえば、マグナ・カルタ自体...