資料:2件
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胃癌の病態整理
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胃癌の病態生理
胃癌は、胃粘膜から発生する悪性腫瘍である。
胃癌の進展度は、胃壁の各層への進展で表現されている。進行の程度によって早期胃癌と進行胃癌に分けられる。
早期胃癌・・・がんの浸潤が粘膜または粘膜下層までのもの
胃癌の30~50%を占め、良好な予後が期待できる
早期胃癌の分類
早期胃癌は、粘膜面から所見によって3つの基本型に分類される。すなわち、癌が正常粘膜面よりも2倍以上のかたまりを示しているものをⅠ型、正常粘膜面からの凹凸が軽度であるものをⅡ型、そして潰瘍形成性のもの(陥凹型)をⅢ型としている。また、Ⅱ型はさらに3亜型に分類されている。すなわちⅡa型は粘膜面からの軽度の隆起を示すもの、Ⅱb型は粘膜面と同じ高さのもの、Ⅱc型は粘膜面より軽度の陥凹がみられるものである。早期がんはこれらの分類を組み合わせたり(たとえば、Ⅱa+Ⅱc,Ⅱc+Ⅲなど)単独で用いることによって表現される。
進行胃癌・・・がんの浸潤が粘膜下層を越えるもの
周囲臓器への浸潤や遠隔地への転移を起こしやすく、予後は悪い
進行胃癌の分類
肉眼的には、1型~4型にわけられる。この分類はボールマン分類とよばれていたものと同じ内容である。
1型(腫瘤型)は孤立限局性・隆起性の病変で、潰瘍形成のみられないものであり、2型(潰瘍限局型)は著明な壁状の周堤を形成し、中心部に潰瘍のみられるものである。3型(潰瘍浸潤型)は一部には潰瘍を伴う隆起性の変化を示すが、一部にはびまん性の浸潤を示すものをいい、4型(びまん浸潤型)はびまん性に浸潤しているものをいう。
病理学的には、腺管を形成する程度により、高分化型腺がん(乳頭状腺がん・管状腺)と低分化型腺がん(低分化腺がん・印環細胞がん)に分けられる。
高分化型腺がんは高齢者に多く、進行癌の場合は、肉眼的にはボールマン1~3型を示す。また、低分化型腺がんは3ないし4型を示し、若年者や女性に多くみられる。
好発部位は前庭部・胃角部で胃体部がこれにつぐ。
上部胃・胃体部大彎の発生頻度は低い
転移で多いのは、リンパ行性転移、肝転移、腹膜播種性転移があり、三大転移とよばれている。
リンパ節転移やほかの臓器への転移の有無を加えて、癌の進行度を総合的に判断し、これらをstage1~stageⅣbまで分類している。
原因
胃癌は、胃炎などの炎症が起きた後、粘膜に置き換わり、その粘膜が癌化して発生する。
従って、慢性胃炎を起こす要因はすべて胃癌の原因でもある。
症状
胃は、大きな臓器ということもあって、胃癌には特有の自覚症状がない。そのため、発見が遅れることが多い。癌が進行しても全く現れないこともある。また、20~30歳の女性の場合は、胃癌の進行が早いといわれている。
早期胃癌の多くは、痛みや出血(吐血、黒色便)、胃部不快感などの症状がある。胃炎や良性の胃潰瘍症状に伴う検査をして偶然見つかることもある。
一方、進行胃癌では、痛みとともに、食べ物が通りにくい、体重減少、貧血などの症状がある。
また、好発部位によっても症状に特徴がある。噴門部やその付近の進行胃癌では狭窄症状がある。胃体部の進行癌は、症状が出にくいため、さらに進行してから発生することもある。
胃癌の検査・診断・治療・予後
1960年代から、胃癌検診が開始された。一般に40歳以上が適応とされる。年に一度、市町村や職場の検診、人間ドッグを受診することを勧められる。
X線造影法
癌の浸潤範囲と深達度を診断するために、造影剤(バリウム)を用いて、病巣部の詳細な変化を見る。
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