縄文の漆文化

閲覧数1,335
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    はじめに
     今年の6月、東京両国の江戸東京博物館にて「発掘された日本列島2001」と題し、最新の考古学速報展が開催され、考古学を志す者の一人として私もそこに足を運んだ。展示品の中で私の目を引いたのが縄文時代の漆製品だった。むろん、縄文時代から漆が利用されてきたことは知識としてあるものの、実物を見ると驚きが先に来てしまった。そして、自身の研究テーマになり得るものであると考えたのである。
     そこで今回、漆関係資料に関して発掘報告書を中心にまとめ、今後の研究展開を考えてみようと思う。

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    縄文の漆文化
    はじめに
     今年の6月、東京両国の江戸東京博物館にて「発掘された日本列島2001」と題し、最新の考古学速報展が開催され、考古学を志す者の一人として私もそこに足を運んだ。展示品の中で私の目を引いたのが縄文時代の漆製品だった。むろん、縄文時代から漆が利用されてきたことは知識としてあるものの、実物を見ると驚きが先に来てしまった。そして、自身の研究テーマになり得るものであると考えたのである。
     そこで今回、漆関係資料に関して発掘報告書を中心にまとめ、今後の研究展開を考えてみようと思う。
    1.縄文の漆製品
    縄文時代の漆製品は一体どのようなものなのか。現在、全国の遺跡から各時期の遺物が出土している。ここでは、各時期ごとに私が注目した遺跡と遺物を挙げることにする。
    前期…福井県鳥浜貝塚・山形県遺跡
     福井県鳥浜貝塚は、昭和50(1975)年に発掘の始まった遺跡で、縄文草創期から前期までの遺構が見つかっている。漆製品は、前期の遺構から出土しており、彩漆土器を始め櫛や弓、木器などに漆が使用されていた。しかし、破片として出土しているものが多く、劣化が進み剥げ落ちてしまって分析が困難なものも多...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。