Research Note Arm trajectory formation in monkeys
E. Bizzi, N. Accornero, W. Chapple, and N. Hogan
Exp. Brain Res. (1982) 46: 139-143
Summery
サルが簡単な視覚運動課題における、適度な速度(0.3-1.3 rad/s)での前腕運動の形成のされ方を調べた。この実験は、ある位置から他の位置への移行は、最終的な作動筋と拮抗筋の力のつり合いへの素早いシフトによって成り立っているという仮説を検証するために行った。この考えは、単純な運動においては関節周りの四肢と筋の生来の慣性と粘弾性によって軌道が決定されている可能性を示唆するため、魅力的である。本研究の結果は、適度な速度での運動は、段階的ではなくなめらかな終点平衡位置へのシフトによって制御されていることを示した。
本論文では、サルの随意前腕運動中にCNSから生成される信号の制御の理解を目指して行った一連の実験を紹介する。第一近似として、運動と姿勢は単一の機構で処理されることが最近提案された。我々はこの考えを
Behavior of the long-latency stretch reflex prior to voluntary movement
Mark Hallett, Martin Bielawski and C.D. Marsden 1981
Abstract
“リラックスした状態”において、ヒトの長拇指屈筋の伸長反射 を引き起こすという試みを行った。伸長反射は筋の随意収縮開始に先行するタイミングで引き起こされ、そのタイミングは様々に変えられた。筋が完全にリラックスしているとき、短潜時反射も長潜時反応も見られなかった。その際用いられた伸展刺激 の伸展率は600°/秒であった。完全なリラックス状態ではないときには、小さな長潜時反応が見られた。それは随意活性までの時間が近づいてくるに従って大きくなることもあった。この反応の増大は背景EMGのかすかな平衡増加(parallel augmentation) によるものであり、長潜時伸長反応のゲインを増加させることによって大きな随意収縮に備えている のだと考えられる。