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ギリシャ演劇とオイディプス王
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はじめに
前期、「演劇と教育」では蜷川幸雄演出、野村萬斎主演の『オイディプス王』の一部分を見た。『身毒丸』なども手がけ、国際的な評価も高い蜷川幸雄と、狂言師であり映画やドラマなどでも多彩な活動を見せる野村萬斎が、ギリシャの古典悲劇であり、精神分析などでも「エディプス・コンプレックス」に関連してよく名前の出てくる、ソフォクレスの『オイディプス王』の舞台をやる、ということでとても注目された舞台である。自分自身前から『オイディプス王』に興味を持っていたこともあり、取り上げることにした。
構成としては、第一章ではギリシャ演劇について、第二章ではギリシャ悲劇とギリシャ喜劇、そして第三章ではソフォクレスと『オイディプス王』について述べる。
第一章 ギリシャ演劇
ギリシャ演劇とは古代ギリシャで行われた演劇のことであり、それには悲劇、喜劇、サテュロス劇、などというものが挙げられる。サテュロス劇とは、ギリシャ神話の豊穣の神であり酒の神である、ディオニュソスの従者に扮したコロス(合唱隊)が登場する劇のことである。コロスとは、コーラスの語源ともなっており、古典劇においては劇中に登場して、劇の進行に大きな役割を果たしていた。サテュロスというのは、ギリシャ神話でディオニュソスに従う山野の精のことである。
悲劇と喜劇は西洋演劇の源流となった。悲劇はディテュランボスに、喜劇は風刺歌にはじまった。ディテュランボスとはギリシャの合唱形式の抒情詩の名称であり、もとはディオニュソス崇拝に関係があり、指揮者に率いられて熱狂的な歌を歌ったものである。
コロスのみであった劇に、詩人テスピスがディオニュシア祭ではじめて悲劇俳優として、コロスと対話しあうという伝承がある。
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