初等算数科教育法 1
1 速さの概念を児童に理解させるためには、「速さ」の導入段階で、私は2つの映像を児童に見せることを考える。
【速さの算数的活動】
テレビの画面を上下2段にして、上の画面は世界陸上でのある選手が走っている映像。下の画面には、運動会でのある児童が走っている映像。上下の映像は、スタートが同じで、またゴールも同じである。この映像を見て、教師が「あれっ、下の○○さんって、世界陸上の選手と同じ速さで走っていて、すごいね~」と問いかけると、児童は「○○さんと□□選手の足が同じっていうことは考えられないです」と答える。
実際には、陸上選手と6年生の児童の足が同じだとは考えられない。そこで、児童に対して、「なぜ2人のスタートも、ゴールも同じだったか」と発問し、「この場合は、○○さんが走った距離が短かったんだと思います」と答え、速さには時間の他に距離(道のり)が関係することを理解させていく。
速さを比べるには、時間だけではなく距離も関係することを導入部分でつかんだ後、さらに表を出して、「6年生の児童4人の中で、だれが一番速いか」について問いかける。
【誰が一番速いか】...