<首相公選 発表原稿>
1、首相公選とは
首相公選制とは、首相を国会による指名にかえて国民が直接選出するという制度である。行政府の長を直接選出することは、立法府と行政府が明確に区別された大統領制の下では行われるが、議院内閣制の下では行われていない。行政府の長を国民が直接選ぶという点が大統領制と酷似している。
この制度の導入に消極的な立場からの意見として、首相の所属政党と議会の多数派政党が異なる場合があること、衆愚政治の危険性がある(後述)。これに対して、積極的な立場からの意見としては、首相のリーダーシップの必要性、国民が直接首相を選ぶことの意義がある。
2、首相公選主張の背景
「首相公選制を考える懇談会」報告書によると首相公選が主張される理由として以下のことを挙げている。
『第一は、首相の民主的正統性の問題である。与党の党首選挙は首相選挙と同じ意味を持つにもかかわらず、しばしば派閥の論理によって党首選挙が行われ、国民とはかけ離れたところで日本の最高指導者が決定されてきた。とりわけ最大派閥がその時々の首相の支持基盤として大きな力を持つ二重権力構造が出現し、日本の政治を極めて不透明なもの...