連関資料 :: 運動量
資料:19件
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3-1角運動量の演算子
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角運動量の演算子
まずは古典論の復習を中心に。
磁性の原因
第1部の「 原子の構造 」のところでは、電子は原子核の周りを回っているわけではないという話をした。 しかしそれでは説明の付かない現象が出てきてしまう。 あらゆる物質は程度の差はあれ、磁気に対して反応を示す。 自ら強い磁気を帯びてそれを保つ物質もあれば、磁石を近づけた時だけ僅かに磁気を帯びる物質もある。 そういった性質はどこから来るのだろうか。
電磁気学の範囲では、それは原子核の周りを回る電子による円電流が原因であると説明した。 ところが量子力学では、電子というのは電荷を帯びた粒などというイメージのものではなく、波として存在すると説明しているのである。 もちろん、その辺りの解釈は人によって分かれるところで、波というのはあくまでも存在確率を表すに過ぎず、電子は粒として存在するのだというイメージを強く持っている人々もいる。 どちらにしても、電子という粒が連続的にぐるぐると回っているというイメージは正しくないという点では同じ意見だ。
そのような存在がどうやって磁場を生み出すのだろうか。
磁気モーメントの復習
このサイトでは応用的な問題にまでは立ち入らないという姿勢を取っているため、電磁気学のページで「円電流が作る磁場」について解説することはなかった。 そんなものは興味があれば各自で計算してみればいいだけのことだ。 ・・・と考えていたのだが、それがまさか、こんなところで関係してきてしまうとは思いもしなかった。 ここではごく簡単にその辺りの話を解説しておこう。
正負の2つの電荷 ±q が距離 s だけ離して置かれている時、
という大きさの、負電荷から正電荷へと向かうベクトルを「電気双極子モーメントベクトル」と呼ぶ。 この2つの電荷のペアが作る電場は、それぞれの電荷が単独に作る電場を足し合わせただけのものである、と気楽に理解すればいい。 しかしその電場の形を図にするとなかなか面白いことになっているし、それを式で表すのは意外に面倒だ。 2つの電荷の中点から距離 r だけ離れた点に作られる電場は、 r >> s の条件で、
であると「近似的に」表せる。
同様に、もし磁荷 ±qm というものが存在すると仮定すると、同じように「磁気双極子モーメントベクトル」
というものが定義できて、磁場も先ほどと同じ形で表されることだろう。
ただし単磁荷どうしの間に働く力が
と表せると仮定して磁荷の大きさを決めてある。 「磁気双極子モーメントベクトル」と呼ぶのは長ったらしくて面倒なので、以後「磁気モーメント」と略することにする。
モノポールが発見されない以上はわざわざこんなことを考える理由はないのだが、なんと、半径 a の円形電流 I が、その中心から距離 r のところに作る磁場が、上で考えた磁気双極子の作る磁場と非常に似た形になっているのである。 ただしそれは r >> a という条件で近似した場合であって、電流に近付き過ぎると当然磁場の形に違いが見られる。 それは状況を正しくイメージしているのならすぐ分かることだ。
とにかく離れて見ている限りは非常に似ているというので両者を比較してみると、ただ円形電流が磁気モーメント
を持つのだと決めておきさえすれば、両者は全く同等だと考えられるのである。
さて、半径 a の円軌道を1個の電子が速さ v で回転する時、1周の長さが 2πa なので、1秒に v/2πa 回転できるだろう。 つまり、その時の電流 I は、
である。 よって、1個
- 全体公開 2007/12/26
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1-6力は本当に運動量の交換か
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力は本当に運動量の交換か?
動いてないのに力を感じるのは変じゃないか
初めの方で「力とは運動量を交換する現象である」と書いたが、本当にそう言い切れるだろうかと気になり始めたのでこれを書くことにした。 違うのではないかと思わせる現象が日常に多く見られる。 もしこれらを説明できなければ、残念ながら以前に書いた文章を撤回せねばならない。
例えば、磁石はどうだろう。 磁石の同じ極同士を近づけると「力」を感じる。 それは反発させる力だ。 磁石をぐっと近づけて動かないように手で固定したとしよう。 依然として力を感じる。 しかし、動かしていないのだから運動量は変化していないはずだ。 どうして運動量が変化していないのに力を感じるのだろう。
バネも同じだ。 バネをぐっと押し縮めて動かないようにしておくために力が要る。 しかし何も動いてはいないのだから運動量は変化していないのではないだろうか? 風船に空気を詰めてグッと押しつぶした場合も同じだ。 バネと同じように元に戻ろうとする弾力を感じる。
これらをどう説明したらよいだろうか? これを書いている今、私は非常に困っているのであるが・・・それでも・・・風船の場合なら割と簡単に説明出来そうではある。
ゴム風船の弾力
風船をつぶした時、中に押し込められた空気は前より激しい分子運動をする。 風船のゴム膜に何度もぶつかって元の位置まで広がろうとする。 この空気の分子がゴム膜にぶつかって跳ね返される時、分子の運動量が変化している。 もちろん、ぶつかられた風船のゴム膜はその分の運動量を受けている。 しかし、風船の反対側でも同じような反対向きの運動量を受けているわけだから風船の全体の運動量は打ち消しあって、風船は全体として動き始めることが無いのである。
風船を押した時に手に感じる弾力はこの空気の分子が衝突した時の運動量を風船のゴム膜を通して感じているのであろう。 風船をつぶす時、君はこの空気の分子の弾丸を知らず知らず押し返しているわけだ。
両手で左右から風船をつぶす時、右手と左手に反対向きの運動量が与えられるから、君が運動量をもらったからと言って動き始めることは無い。 しかし丈夫なでかい風船に体当たりすれば、君はボヨヨンと跳ね返されることだろう。 これは空気の分子から運動量を受けた結果だ。
さらに、空気のクッションの上に寝転がった場合について考えてみよう。 君はクッションの上で運動量を受けることなくじっとしていられるように思える。 しかしこの場合も運動量の交換は常に行われている。 君は地球から運動量を受けていつも下に落ちようとしている。 それをクッションの中の空気の分子の無数の弾丸が、そうはさせるかと君を下から狙い打っている。 その反動で君はクッションの上に浮いていられるのである。 あまりにも微妙なバランスで、しかもそれが高速で行われているので、君は止まっているように感じていられるわけだ。 しかし、君の下では激しい運動量の交換合戦が行われているのである。 空気の分子はクッションの下側でも地球に運動量を与える戦いをしているので地球は君に与えた運動量をそこできっちり返してもらっている。
ゴムひもとバネの弾力
さて、ゴムひもの弾力というのも実はゴムの分子の運動の結果であって、同じように説明できる。 ゴムの弾力の正体についてここでは詳しく述べないが、熱力学や統計力学の分野の教科書を読んでもらえれば載っているのではないかと思う。
では、バネの弾力についてはどうであろうか? これは風船とは少し違う。 バネ
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運動
地球
分子
変化
金属
原因
時間
力学
- 全体公開 2007/12/24
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3-3角運動量の行列表現
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角運動量の行列表現
角運動量の話を第3部に持ってきた理由はここにある。
交換関係
ここまで描いてきた角運動量のイメージを補うために、数学の助けを借りることにしよう。
まずは角運動量の演算子の交換関係を調べることから始める。 大抵の教科書では真っ先にやることではあるが、私の場合、今回の話でどうしても必要になるから仕方なく導いておくのである。
交換関係を求める事は以前に「 不確定性原理 」のところでもやったが、忘れているかもしれないので、一つだけ丁寧に計算例を示しておこう。
今回はわざわざ を付けて計算する意味はなかったが、 があることを意識して計算していることを示すために敢えて略さなかった。 この結果を交換子を使って書けば、
とシンプルに表せる。 また、Lx, Ly, Lz は対称的な形式をしているので、わざわざ同じような計算を繰り返すことなく、
という関係も得られる。
交換子の値が0であったなら、同時に2つの演算子の固有関数となる関数が存在するということだが、この場合は L = ( 0, 0, 0 ) でもない限りは、 L のそれぞれの方向からの観測値は同時には決められないということであり、それはすでに前回話した通りだ。
ちなみに
という関係を導く事も出来るが、これは量子数 l と m とを同時に定める事が出来ることを意味している。 これも前回やった事の確認である。
しかし、交換関係はこんなことを説明するためだけにあるのではない。 本当の使い道はこの後にある。
行列への変換
微分演算子と行列が論理的には等価だという話は第2部で出てきた。 そこで、角運動量の演算子を行列で表したらどうなるだろうかと考えてみよう。
なぜそんなことを考えるかというと、あの複雑な原子の波動関数に対して極座標で微分計算をするという面倒な手続きから解放されたいからである。 もっとすっきりと論理構造を見渡せるようになるのではないかという期待がある。
簡単な例を挙げて説明しよう。 と言っても l = 0 では話にならないので l = 1 を考える。 この時、m = 1, 0, -1 という3つの状態がありうるのだった。 エルミート演算子の異なる固有値に属する固有関数は互いに直交しているという数学的な要請があり、ベクトル表現でも同じ事が言えるはずだ。 これら3つの直交する状態ベクトルを |1> , |0> , |-1> という記号で表すことにしよう。 具体的には
というベクトルをイメージすればいい。 本当はこれらをユニタリ変換したどんなベクトルの組でもいいのだが、簡単なところから考える方がいいだろう。
この有限次元のベクトルは何を意味しているのだろうか。 波動関数というのは無限次元の複素ベクトルであるという話だった。 これはその無限に軸がある空間内から、主量子数 n がある値であるような空間だけを持ってきて、さらにその中の l = 1 という条件を満たす部分的な空間だけを取り出してきたようなイメージである。
つまり「無限次元の存在」の断面図を見ているようなもので、今はその断面は3次元であり、l が変化しない限りは状態ベクトルもその断面上に乗っかって存在すると考えているわけだ。 しかし今は他の次元のことは忘れて、3次元が全てだと考えた方が分かりやすい。
このとき、演算子 Lz を表す行列は非常にシンプルに書ける。
こうしておけば、
という関係が満たされているわけだ。 ちなみに l = 2 の場合には Lz は
という形に
- 全体公開 2007/12/26
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車体模型周りの流れと運動量の法則
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1. 緒言
車体形状は自動車の空力特性に大きく影響を及ぼすので,車体近傍の流れの挙動をよく把握しておく必要がある.そうでないと無駄な空気抵抗ができたり,車体の安定性が低下したりする.本実験では二次元車体模型を用い,マノメータによる模型表面の圧力分布計測,ピトー管による模型前後断面の流速分布の計測,及び表面タフト法による流れの可視化を行い,これらの原理や実験方法について理解する.また,物体表面の圧力分布より抗力,揚力が算出できることを確認し,さらに運動量の法則からも抗力が算出できる事を理解する.
2. 理論
2.1 マノメータの原理
マノメータは,液体の自重による圧力と測定圧力とをつり合わせることにより,流体の圧力を測定する計測器である.図1において,基準圧力p0,測定圧力p,マノメータのヘッドh,指差液体の密度ρliq,空気の密度ρair,重力加速度gとすると,A点とB点の圧力は等しいことにより次式を得る.
ここで,ρliq≫ρairを考慮すると次式となる.
(1)
式(1)より,マノメータのヘッド
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実験
レポート
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流体力学
車
空力
- 全体公開 2008/10/22
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3-8運動量保存則だけでは不完全
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運動量保存則だけでは不完全?
運動量保存則だけではすべてを説明できない
運動量保存則の欠陥
前の記事で、角運動量保存則は運動量保存則から導かれる定理であるという内容のことを言ったが、完全にそうは言えないことを説明しよう。 運動量保存則が成り立っているにも関わらず、角運動量保存則を満たしていない事例がある。
例えば、2つの質点が左右に離れて並んでおり、静止しているとしよう。 そしてこの2つの質点の間に運動量が交換されて、一方が上方へもう一方が下方へ進み始めたらどうであろうか? 奇妙な感じがするが、これは運動量保存則を満たしているのである。 この時にもしこの2つの質点を棒でつないでおいたら
- 全体公開 2007/12/24
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運動強度と酸素摂取量の関係性と血液・酸素の行方
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1. 緒言
運動強度と酸素摂取量は,共に心拍数から求めることができる.ということは,運動強度と酸素摂取量には何か関係があるのではないか?
以下の結果および考察から運動強度と酸素摂取量の関係性について考えてみる.
2. 方法
6月9日に実施したポートビーの競技中に計測した心拍数(自分)のデータを分析した.
3. 結果および考察
図1 HR・運動強度の時系表示
まず,運動強度はカルボーネン式より心拍数の値から出されるので,運動強度は心拍数に比例するといえる.図1のグラフを見ても比例していることがわかるであろう.
次に,心拍数と酸素摂取量を考える.酸素摂取量とは具体的には肺で取り込まれた酸素の量である.肺での酸素摂取は赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素と結合することによりなされる.ということは,肺を流れる血液量が多ければ多いほど,赤血球が多くの肺の空気に触れることになり,酸素摂取量が高まることになる.肺を流れる血液の量とは,心臓から送り出される血液の量である.つまり,心拍出量である.
心拍出量=1回拍出量×心拍数 ・・・?
で表されるが,ここで1回拍出量は運動強度が上がるとある程度増加するが,その後40%〜50%で一定になる.したがって,心拍出量の増加は主に心拍数の増加でまかなわれている.よって,心拍数の増加は間接的ではあるが,酸素摂取量を増加させるので,ここでも相加作用があるようだ.具体的に
酸素摂取量=心拍出量×動静脈酸素較差 ・・・?
でもとめることができるが,やはり酸素摂取量と心拍数は比例する.
実際に計算してみる.出原さんは“3つのエネルギー系〜ATP合成へのルート〜”というレポートで心拍出量と酸素摂取量を求めているが,同じ方法を使って1回拍出量を平均の80ml,動静脈酸素格差を50mlとして計算する.また,心拍数は安静時66と最高値202を用いる.
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- 550 販売中 2005/12/30
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