資料:2件
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1-6電束密度の意味
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電束密度の意味
どうして電場と同じようなものを もう一つ定義しなくてはならないのだろう。
本質ではない量
学生時代にはこの電束密度の意味を正しく理解できていなかった。 しかし、今考えて見れば実はとても単純なことだったのである。 この「電束密度」という呼び方は歴史的な由来を持つものであって、その本質とはあまり関係ないので気をつけなければならない。 これについては後の方で説明しよう。 この電束密度という量は私が求めている「実在」ではなく、科学の発展の歴史の中で研究者に都合の良いように導入されたものに過ぎない。 それでも物性を研究する人にとっては今でも十分利用価値のある便利な量ではある。
本当はこういう本質的でない話は後回しにして早くマクスウェルの方程式を完成させたいのだが、マクスウェルの方程式を理解するためには結局この「電束密度」を理解することが必要になってくる。 それに本質でないものにはさっさとけりをつけて無視できるようにしておいた方が気持ちがいい。 少し寄り道に感じるかも知れないが、話の流れ上ここで説明しておくのが一番良いだろうと思う。
空間は電荷だらけ
我々の周りは電荷で満ち満ちている。 いくら真空ポンプで真空を作っても、なおそこには何億、何兆では言い表せないほどの原子が存在する。 (でも真空管の程度まで空気を引けば何兆で言い表せる程度にはなるか・・・) その原子の一つ一つが負の電荷を持った電子と、正の電荷を持った原子核から出来ているのだ。 普段はそのプラスとマイナスが打ち消しあって表向き0になっているように見えるけれども、電場をかけてやればプラスとマイナスは別方向へ移動するので空間に電荷がひょっこり顔を出すことになる。
身近な例を挙げてみよう。 電気を流さない固体を鉄板で挟んでやり、この両端に電圧をかけてやる。 すると固体の中の電子と原子核はズレを生じる。 電子はプラス極に引かれ、原子核はマイナス極に引かれる。 引かれるけれども原子が分解するほどではない。 だから電気は流れていかない。 流れてはいかないが、マイナス極側にはプラスの電荷が、プラス極側にはマイナスの電荷が顔を出す。
このように電圧がかかった時にプラスとマイナスに分かれることを「分極」という。 そして分極する物質を「誘電体」という。 金属の場合には電圧がかかると自由電子が流れていってしまうのでそのせいで電圧が降下し分極するどころではないが、絶縁体は誘電体として使える。 空気だって僅かだが分極する。 つまり、空気中で電磁気の実験をする時でさえこのような多数の原子の影響を考慮に入れなくてはならないわけだ。
電束密度の導入理由
空間にプラスの電荷があったとしよう。 そして周囲が誘電体に囲まれている場合を考える。 すると、プラスの電荷の周りには特に用意しなくても勝手にマイナスの電荷が姿を現すことであろう。 ここでガウスの法則を使ってみる。 プラスの電荷とその周りに現れたマイナスの電荷をすっぽり覆うような閉曲面を考えよう。 この閉曲面での電場はどうなるだろう? プラスとマイナスが中和して、極端な場合にはほとんど0になってしまう。 プラスの電荷だけを考えて計算しようとするとガウスの法則が成り立たなくなってしまうのだ!!
いや、心配しなくても大丈夫。 ちゃんとプラスの電荷とその周りに勝手に現れたマイナスの電荷をすべて計算に入れればガウスの法則はいつだって問題なく成り立っているのである。
しかし実験家の立場からすれば、意図的に用意したのはプラスの電荷だけであって、
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実験
歴史
電気
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比較
現代
影響
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概念
- 全体公開 2007/12/26
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