資料:2件
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バブル経済と平成不況
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「日本経済論」 ~バブル経済・平成不況から学ぶ~
経済の金融化、バブル経済から端を発し、構造改革ではなく、短期的な景気対策や後ろ向きの金融機関救済策に追い求められた「失われた10年」といわれる平成不況を、その経過や原因から分析し、日本経済の今後を考えていく。
1.経済の金融化の問題点と、バブル経済の発生
日本の経済の基本には、1940年頃に導入された戦時経済体制が現在に至るまで残存している。高度成長の実現や石油ショックへの対応においてきわめて適切に機能したこの仕組みが、未来への発展に対して大きな障害になっている。しかし、現在の日本経済の状況では、長期の構造的問題を解決しない限り、減税などの短期的景気対策は有効に機能しない。
日本は、間接金融方式が中心であるがために、銀行という組織の中で資金配分が決まっていた。銀行融資は保守的なものにならざるを得ないため、リスクが高く成功が保証されない分野には、資金流れにくい。日本経済の根本問題である。
バブル経済は、「資産価値が経済の基礎的条件である、ファンダメンタルより決まる価値以上に期待などによって膨れ上がること」(経済白書)をいう。これは、長期に渡った金融緩和策、つまり潤沢な貨幣供給の裏づけと共に、期待感がなければバブルは発生しないことを意味する。2度の石油ショックを乗り越え、さらに円高不況も短期的に克服した日本的経営、具体的には終身雇用、年功序列賃金、企業別組合などが賛美され、それらからの自信が経済成長に裏づけされたバブルを生んだ背景もある。しかし、一番の要因は、やはり経済の金融化であり、金融緩和の長期化であると言える。
バブルの発生は、高利子目的の外国資本流入によりドル高を招き、輸出競争力の阻害、国際収支の赤字累積、結果、世界最大の債務国となった1985年、プラザ合意による円高不況を克服するため、日銀に公定歩合の引き下げを求めるなどの、過大な金融緩和による刺激策をとったことに端を発している。1987年、ニューヨークでの株価大暴落がドルを急落させ、ドル暴落、世界同時不況を心配した日銀は、史上最低の公定歩合、2. 5%を維持しながらドル買いを行う金融緩和策をとったのだ。27ヶ月にも及ぶ金融緩和維持は、国内に過剰な貨幣供給をもたらし、金余り現象を生み出し、銀行の過剰融資による、財テク、土地転がしを生み、株や土地の急騰をもたらした。これが、そして、取得原価と時価の極端な差額、すなわち莫大な「含み損」が生じ、バブル経済を形成した。
なぜ、金融緩和は長期化したのか。高い経済成長と一般の物価の安定が両立していたために、それがバブルだとは考えられていなかったからと言えるだろう。
2.平成不況の諸原因と社会福祉の景気対策への影響
長期に渡る平成不況のきっかけとなったのは、1990年初頭からの東証株式指数の暴落に始まる株価、地価の暴落という、バブルの崩壊である。バブル崩壊で、特に個人の資産が大きなダメージを受け、消費、投資意欲の減退を招いた面は大きい。しかし、それがけが長期不況の原因とは言いがたいく、バブル崩壊と共に、日本の奇蹟の復興がなしとげられた時期に比して、日本を取り巻く環境が変化したことも平成不況の背景として注目しなければならない。
長期不況の克服を困難にした情勢の変化をあげてみると、1980年代後半以降のアジア諸国に起こった急速な工業化があげられる。80年代の後半に円高が急伸したとき、それに対応するために、日本企業が生産拠点を東南アジアに移したことから、アジア諸国は、日本の工業化と同じパターンをたど
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