資料:230件
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朝日訴訟が社会保障政策に与えた影響と歴史的意義
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?.朝日訴訟とは
1.概要
まず、「朝日訴訟」の概要についてであるが、1957(昭和32)年8月、岡山県津山市にあった国立療養所に重症の結核のため入院し、生活保護法による医療扶助と入院患者日用品費(生活扶助)を受給していた朝日茂氏が、生存権の保障を求め国(厚生大臣)を被告として訴えた行政訴訟である。
2.発端
1956(昭和31)年7月、長期音信不通だった朝日茂氏の兄が岡山県津山市福祉事務所の要求を受け月額1,500円の仕送りを約束したことから始まる。
生活保護基準では収入があった場合、その分を控除することになっているため、福祉事務所は仕送りの1,500円を収入と認定し、月額600円の入院患者日用品費の支給を廃止した上、差額の900円を医療扶助の一部自己負担として国立療養所に納めるよう保護変更処分を行った。
生活保護基準が認めた入院患者日用品費の月額600円というのは、シャツが2年に1枚、パンツは年に1枚、そして、ちり紙は月に1束というものであった。これによって朝日茂氏は頭の中だけで知っていた生活保護基準の非人道性を経験した。これに対し、朝日茂氏は「生活保護法による保護基準」による入院患者日用品費が低すぎ、憲法二十五条(生存権保障規定)、生活保護法に規定する健康で文化的な最低限度の生活を営むことは不可能であるとともに、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に対して国は責務を怠っているとして、国に対して東京地方裁判所に提訴した。
3.判決
実際には、朝日茂氏は国に提訴する前に、社会福祉事務所を通して、まず岡山県知事に不服を申し立てていたが、審査請求、再審査請求ともに却下され、さらに続いて国へ不服申し立てを行ったが、これも却下されたという経緯があった。申し立ての内容は日用品費月額600円のほかに嗜好品的栄養捕食費として最低月額400円を加え、月額1,000円を生活必需品費として認めて欲しいというものだった。
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