このレポートは、玉川大学通信教育課程・科目「(教科)国語」において、すでに合格をいただいたものです。
2018年度課題:説明文的文章教材の教材研究
教員による評価・批評は以下の通りです。
<評価>
B
<批評>
「読み手」としての教材文へのアプローチは、よくできている。しかし、この教材文を使って子どもたちに身に付けさせたい国語の定義づけが弱い。科学的なものの見方や考え方を導き出すための国語科の役目、言葉による見方・考え方をどこでどう働かせるのか、どのような言語活動をデザインするのかが抜けていたのが残念。
【玉川大学】教科国語
課題①
塚本勝巳氏の「ウナギの謎を追って」を取り上げる。本教材は、ウナギの謎の一つである産卵場
所を突き止めるまでの、『調査結果(事実)と調査過程での考察を織り交ぜながら書かれた「調査報
告文」』¹である。
1922年、デンマークの海洋学者ヨハネス・シュミット博士は、より小さいレプトセファルスを追い
求めていけば産卵場所にたどり着くのではないかと調査を繰り返し、大西洋のウナギの産卵場所を
明らかにした。一方で、太平洋のウナギの産卵場所調査は1930年代から始まったが、二ホンウナギ
のレプトセファルスがようやく一匹採集されたのは1967年になってからである。採れた場所は台湾
近くの海で、体長は54㎜だった。
筆者塚本氏は1973年から調査に加わり、1986年には航海の指揮をとる主席研究員の補佐である番頭
として、それまでの航海の結果をすべて見直し、航海の計画をたてた。レプトセファルスは海流に
乗って運ばれるため、海流を遡れば小さいものがいると予想した。実際に、採れるレプトセファル
スの体長は小さくなっていった。
1991年、主席研究員として航海全体を指揮し、マリア...