【課題】
漢字の成立と各書体の特徴について説明しなさい。
※丸写しで不合格になった方がいらっしゃいます。”参考”にしてください。
① 漢字の成立と各書体の特徴について説明しなさい。
漢字が生まれたのは、今から3300年前(約紀元前1300年)の中国「殷王朝」であり、神との対話のために発明された。体系をもった最古の漢字である〈甲骨文〉は、亀甲や獣骨に刀で刻したもので、字形は単純で直線を主体にして構成されているが、曲線的な動きも巧妙に刻されている。殷から周への王朝交代を生んだ古代最大の天下分け目の激戦で、「殷」との戦いに勝利した新しい王朝「周」は、神との交信のためだった漢字を、他部族との契約に使うという発想の大転換をした。話し言葉の違う部族でも見れば意味を理解し、意思疎通ができる表意文字である漢字は、瞬く間に浸透していった。
その後漢字は変化を続け、紀元前221年、中国統一を成し遂げた秦は、それぞれの地方で独自に発達してしまっていた漢字を、小篆という字体に統一した。漢字の一角を筆一往復分の幅に統一し、文字の大きさも均等にし、また秦が「統一された法治国家」であることを示すために、国の公式な証明手段や官吏の官印に用いられた。このような国の意図とは裏腹に、小篆はすぐにその形を崩しはじめた。法治国家である秦は、下層の役人が...