【東京大学】【優】開発経済学はもともと発展途上国の経済発展のあり方(マクロ経済学的アプローチ)について考える学問だった。しかし、1990年代以降 、貧困削減に援助の関心がシフトしていくにつれて、開発経済学も貧困削減政策を中心とするミクロ経済学的アプローチにシフトしていった。われわれは経済開発から人間開発へと焦点を拡大させるべきであるが、両者の間には大きなギャップがあるように思える。これについてどう考えるか論じよ。
開発経済学 レポート課題
開発経済学はもともと発展途上国の経済発展のあり方(マクロ経済学的アプローチ)について考える学問だった。しかし、1990年代以降 、貧困削減に援助の関心がシフトしていくにつれて、開発経済学も貧困削減政策を中心とするミクロ経済学的アプローチにシフトしていった。われわれは経済開発から人間開発へと焦点を拡大させるべきであるが、両者の間には大きなギャップがあるように思える。これについてどう考えるか論じよ。
私はまず1990年代の以前と以後において、開発経済学のあり方が具体的にどのように変化したかを述べ、その上で経済開発から人間開発への流れについて考えてみたいと思う。
1990年以前において、開発経済学は先進国と異なった経済構造を発展途上国が持っていることを認めた上で、それを克服するために先進国と発展途上国が協力できること、発展途上国が先進国とは違った経済開発を行うことによって構造的不均衡を克服して持続的発展を実現する可能性を認めている。私は開発経済学が相互利得の主張を認めることによって学問の存在意義を示していたのだと思う。 経済開発こそが先進国と発展途上国の所得格差を...