キリスト教は布教域最大の世界宗教で、人がすむ地球上のすべての大陸に信者がおり、その多くの地域で多数派をなしている。世界の総信徒数は17億人をこえる。これだけ多くの人々が信仰するキリスト教が教育や文化、生き方・思想等の点で現代社会に与えた影響は大きい。
このキリスト教の精神とは端的にいえば「博愛」「許容」「平等」の哲学と言われる。マタイによる福音書によると、後期の講義からの引用だが、『イエスは言われた。「心を尽くし、精神をつくし、思いを尽くしてあなたの神である主を愛しなさい。」』これが最も重要な第一の掟である。第二もこれと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』この隣人愛の精神は多くの人々に受け入れられ世界に浸透し、様々な思想に影響を与えている。
例えば近年の罰則制度改正の流れ。キリスト教系の民主主義の法体系では、教育しなおして2度と犯罪をおかさない人間にするという考えの更正刑を中心としている。キリスト教の根本思想は、先に述べたように端的にいえば「博愛」「許容」「平等」の哲学ということがいえよう。敵をも愛し、敵の迫害をも赦し、神の御前では人はみな平等であるという...