はじめに
歴史上、海賊という存在は度々出現している。海賊と聞くと最初に出てくるのは何か悪いイメージではないだろうか。では海賊とは実際どのような形で存在し、活躍したのだろうか。今回は日本の瀬戸内海に焦点を当て、海賊と名の知れた藤原純友の乱について調べてみたい。
日本の海賊
―藤原純友の乱―
はじめに
歴史上、海賊という存在は度々出現している。海賊と聞くと最初に出てくるのは何か悪いイメージではないだろうか。では海賊とは実際どのような形で存在し、活躍したのだろうか。今回は日本の瀬戸内海に焦点を当て、海賊と名の知れた藤原純友の乱について調べてみたい。
1.海賊とは
まず、海賊とはどのような集団を指すのだろうか。大多数の人は船を襲って金品を強奪する無法者というイメージがあるかと思う。実際に「藤原純友の乱」や「倭寇」のように金品を強奪したものもいる。が、“同時に、「上乗り」と称して海賊を同乗させることによって無事に船旅を終えることができたことを記している旅の記録も存在する。”(山内 1997)
またこの海賊という言葉は水軍という意味も持っている。つまり村上水軍や毛利水軍といったような、で大いに活躍した集団も海賊という言葉で表すことができるのである。
では海賊が盛んに出没するようになったのはいつ頃なのだろうか。
2.海賊の発生
海賊の出没が多くなったのは平安時代初期である。瀬戸は内海で、たちの生活の場であった。しかし貴族や寺院が荘園制度を促進し、...