憲法特殊講義Ⅱレポート
近代国家及び近代憲法思想がどのような歴史的・思想的要因に基づいて形成されてきたのかを述べ、またそうした近代国家・憲法観に対して、今日、どのような批判が加えられているか。
歴史的・思想的要因
1215年、国王は、貴族や聖職者に譲歩して普遍的な憲法の聖典を意味するマグナ・カルタを勅許した。立憲制原理の萌芽。国王の課税には議会の同意が必要であり、人身の自由と裁判に関する規定、国王による人民の自由や生命、財産の不可侵が規定された。
1628年、英国議会はチャールズ1世に議会の承諾のない課税を禁止及び人身の自由と法の適正な手続きを内容とする権利請願を提出、チャールズ1世は特別税徴収の承認と引き換えにこれを裁可する。
ホッブズは、人間は生まれながらにして権利を持っており、神の権威より偉く、我々は権利に基づいて革命を起こす、と主張した。自然権である。人間である限り、国王でも侵すことのできない権利、自然権を持っているのだと主張した。基本的人権である。しかし、個人が自分の生きる権利を主張すると権利同士が衝突して紛争になる。そのため、人々の間で権力を作って秩序を保つため、自然法の導...