大同での緑化協力 霊丘自然植物園

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    大同での緑化協力
    霊丘自然植物園
     大同での山地・丘陵地の緑化はまだマツ一辺倒のところが多いのです。降水量が少なく、寒暖の差が大きい気候条件からして、樹種がかぎられるのは仕方がないのですが、変化のすくない森林はひとたび病虫害が発生すると全滅のおそれもあります。
     樹種の多様化のために、また、自然植生の観察や植樹造林技術向上のためにも、植物園の建設が必要でした。大同市の南部に位置する霊丘県は、黄土丘陵というよりは太行山脈に属し、植林の観点からすれば土壌や気候の条件は比較的恵まれているといえます。落葉広葉樹を中心とした自然林が発見されたのも、霊丘県でした。
     GENが大同で緑化協力活動をはじめたころ、大同の極相林はマツやトウヒなどの針葉樹だといわれていたので、これは目からウロコの大発見でした。人手も放牧も入らない、村から遠く離れた山中には、ナラ、シナノキ、カバノキ、トネリコ、カエデ、クルミ、ハギ、ハシバミなどの豊かな植生があったのです。黄土高原を、山に一木もないいまの姿にしてしまったのはやはり人間だったのだと再確認すると同時に、土地利用を考えて工夫すれば緑化は不可能ではないと将来への展望をいだかせてくれました。
     98年、何カ所かの候補地のなかから選ばれた霊丘県上寨鎮南庄村で86haの土地の100年間の使用権をカウンターパートの名義で購入しました。標高が900mから1,300mと高低差もあり、地形も複雑です。付近に自生している広葉樹から各種のマツまで、さまざまな樹種を植えられます。地元や周辺、また、中国内外から寒冷・乾燥地に適した樹種をあつめ、試験栽培もおこなっています。
     放牧の進入を防ぐため、周囲をトゲのある木で囲いました。すると、それまでは毒のあるキンポウゲの仲間ぐらいしか草は生えていなかったのに、たちまちウマゴヤシ、ハギなどマメ科をはじめとする草や灌木が茂ってきて、放牧の圧力をあらためて実感させられました。ホソバユリの群落もできて、花の時期には目を楽しませてくれます。  さらに、それまでは芽生えや若葉を食べられて育たなかったリョウトウナラ、シラカンバなどがぐんぐん育ってきて、風景がどんどん変わりつつあります。
     また、ここの敷地内の南斜面には、ひざよりすこし高いぐらいの灌木がまばらに生えています。トネリコのなかまだということです。乾燥で植物が育ちにくい南斜面の緑化に、新しい可能性がでてきました。
       
     2000年秋には管理棟が完成して、その周囲ではナラ、トネリコなど100種類を超す樹木の育苗もおこなわれています。植物好きなスタッフたちがそれぞれ土壌や肥料などを工夫し、最適な育苗方法を探しながら大切に育てています。育った苗木は、この植物園やカササギの森に試験的に植えはじめました。
     地球環境林センター、カササギの森とあわせて、大同における長期的な緑化を研究する重要な拠点として、今後ますますこの植物園の役割は大きくなっていくでしょう。
    情報提供先→  http://homepage3.nifty.com/gentree/lingqiu.html

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