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60数年前、戦争ですべてを失った人々は、その日1日を生きるための食糧を、どれほど探し歩いたことであろうか。
戦後の日本の復興は目覚ましく、もはや貧しかった生活を知る年代の人々も限られてきている。
そして飽食の時代と言われる現代。物質的には豊かになった我が国が、新たな問題を抱えている。高齢化が進み、核家族、少子化などがあり、近年では特に、子どもの肥満による生活習慣病が増加している。そこで、肥満が及ぼす身体への影響を考えてみたい。
1.肥満とは何か。
日本肥満学会では、肥満を「肥満」と「肥満症」に分けている。一般に「肥満」とはBMI25以上だが、健康上の問題がなければ、得に心配はいらない。引用1
BMI=体重÷{身長m×身長m}
このように肥満=すべて病気になるということではない。すもうの力士は、BMI35以上の人も多いというが健康上異常は少ないという。つまり「肥満」は皮下脂肪が多い状態であり、「肥満症」は内臓脂肪が多い状態である。肥満が身体に悪いとは、この内臓脂肪のことである。
2.内臓脂肪とは何か。
内臓脂肪とは、内臓の中にたまる脂肪ではない。腸間膜という腸管を包んでいる薄...