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日本の教育が戦前と戦後でどのように変わっていったかについて述べる。その時々の思想や風潮、時代の流れといった事柄が、教育の方針に大きく影響しているので、まず、その背景になる歴史について述べる。
①戦前の教育について
江戸時代の教育は、幕藩体制の士農工商という身分制度があった。武士階級には藩校、庶民の子どもたちには寺子屋など身分に応じて、内容も目的もそれぞれ異なる教育を受けた。また、江戸幕府直轄の学校(昌平坂学問所など)や私塾と言われる成年を対象とした学問・武芸・芸道などを教える民間学校もあった。江戸時代は封建制度により、教育やその目的が身分によって違っていたが、明治維新に四民平等が成立すると身分の差による教育ではなくなり義務化されたのである。
明治維新の時に、教育の方向として学制という政策が打ち出された。これはわが国における近代的学校制度の始まりである。その中で「学問は、人々の立身出世の手段で有り、日常生活の知識や技術、経済的知識、家業を盛んにする知識や技術の源である」として、全ての人々が学問を受けなければならないと記されていた。これは、学問が人や国家のためではなく、自分自身のため...