「法源の意味と種類」 法学 日本大学総合教育科目
法源とは法の現れる形式である。法はもともと具体的な形ですでに存在しているものではなく、社会においておおよその共通認識としてある「正しさ」が法であるとされている。しかし、そこには具体的な「正しさ」が書き込まれていないため、媒介する必要があり、こうして「正しさ・法を媒介して形にしたもの」が法源となっている。
法源の裁判システムにおける意義としては、裁判システムそのものへの信頼を確保するという性質を持っている。現代社会では、自力救済や私的制裁を回避した「法による裁判」が求められており、それを行うためにも裁判所が法に基づいた裁決を下すことが重要になってくる。その際、裁判官の判決を正当化するにあたり、基準とすべきものとして存在している。同時に、裁判システムへの信頼も得ているのだが、その法源そのものを明らかにすることも、更なる信頼へと繋がってくる。
ところが、何が法源になっているのかについては、一様ではなく国や時代によって相違が見られる。日本やローマ法の影響を強く受けた国々は、大陸法の法制度を採っており、所定の手続きによって定式化された法典に...