イギリス文学史Ⅱ 分冊2 日本大学文学専攻(英文学)
ワーズワスとコールリッジの「自然」
英文学史上、1798年からの30年間はロマン主義の時代と呼ばれている。というのも、ワーズワス(Wordsworth)とコールリッジ(Coleridge)の共同詩集『抒情民謡集』(Lyrical Ballads)が出版されたからである。そんなワーズワスとコールリッジの二人は、同じ直感的感覚を持ち、「自然」というものを捉えていった詩人である。しかし、ワーズワスはより見慣れたものを「自然」の対象とし、一方、コールリッジは、不思議でしかも超自然的なものを求めたといえる。ここでは、二人のそれぞれ作品をあげ、同じ「...