本問で、B は追認拒絶することができれば、C は建物の明け渡しを請求できない。
それでは、無権代理人B が本人A の地位を相続した場合、無権代理人は本人の地位から追認拒絶できるか。
思うに、本人と無権代理人の地位は併存し、その使い分けができると解する(地位依存説)。
ただし、無権代理行為をした者自身が、追認を拒絶することは信義則に反するから、許されないと解する(信義則説)。
本問のB は無権代理行為をした者であり、追認拒絶できない。よって、C は建物の明け渡しを請求できる。
民法課題レポート 6
1.問題
Aの息子 Bは、父親 Aに無断で A代理人 Bとして Cと A所有の建物の売買契約を締結した。その後、
父親 Aは追認を拒絶しないまま死亡し、Bが単独相続した。Cは建物の明け渡しを望んでいるが、B
としては相続した以上明け渡したくないと思っている。
以上の点を踏まえ、次の問いに答えよ。
①Cは建物の明け渡しを請求できるか。
②上記の事案で無権代理人 Bに弟 Dがいたとする。Dは父の遺産である本件建物を手放したくない
と考えて、追認を拒絶した。かかる場合において、Cは建物の明け渡しを請求できるか。
2.回答
①
本問で、Bは追認拒絶することがで...