二 占有権
占有権の中では、占有の移転、占有訴権が試験によく出ています。特に占有の移転は即時取得(192条)と絡み、重要論点になっています。とりあえず、ここでは占有権とは何か、について理解しておきましょう。
占有とは、事実上の支配状態であり、これを基礎として認められる物権が占有権です。
「今この本を手にしている」という事実上の支配は、通常であればこの本に対する所有権であったり、人から借りた場合は賃借権であったり、その支配は正当なものであるとする根拠(権原ともいいます)に裏づけされている場合が多いといえます。
このような所有権その他の権利とは別に、事実上の支配状態を「占有権」として保護する意味はないように思えます。
しかし、現代社会においては、権利自体が非常に複雑かつ多様化しています。
例えば、自動車をローンで買ったとしましょう。このようにローンで物を購入した場合、支払いが完全に済むまでは自動車を販売した側に所有権を残しておくことがあります(所有権留保)。
この場合、自動車を買い、毎日乗ってはいるものの、その自動車に対しての所有権はないということになります。
そこで、人が物を持っている状態(それが、所有権があるからなのか、賃借権があるからなのか等はとりあえずはおいておきます)を法律的に保護してみるというのが占有権なのです。
三.用益物権
用益物権とは、目的物たる不動産(土地)の使用収益を内容とする権利で、地上権(265条)・永小作権(270条)・地役権(280条)および入会権(263条・294条)があります。
占有権・用益物権・担保物権 基本事項のまとめレポート
二 占有権
POINT!
占有権の中では、占有の移転、占有訴権が試験によく出ています。特に占有の移転は即
時取得(192条)と絡み、重要論点になっています。とりあえず、ここでは占有権と
は何か、について理解しておきましょう。
占有とは、事実上の支配状態であり、これを基礎として認められる物権が占有権です。
「今この本を手にしている」という事実上の支配は、通常であればこの本に対する所有権であったり、
人から借りた場合は賃借権であったり、その支配は正当なものであるとする根拠(権原ともいいます)に
裏づけされている場合が多いといえます。
このような所有権その他の権利とは別に、事実上の支配状態を「占有権」として保護する意味はないよ
うに思えます。
しかし、現代社会においては、権利自体が非常に複雑かつ多様化しています。
例えば、自動車をローンで買ったとしましょう。このようにローンで物を購入した場合、支払いが完全
に済むまでは自動車を販売した側に所有権を残しておくことがあります(所有権留保)。
この場合、自動車を買い、毎日乗って...