事例演習民事訴訟法 第3版(新版)の解答です。事例問題形式での民亊訴訟法演習書として本書の問題は完成度が高く、基本論点を網羅するとともに「考えさせられる」良問が揃っているため、民事訴訟法における最良の演習書であると考えます。
充実した解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、信頼できる内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有効な内容となっております。
第23問
1 未成年者X3に関する審理裁判
(1)X3は、未払賃金支払請求訴訟を提起し、X1,6を選定当事者として選定し、訴訟脱退(30条2項)しているが、X3は未成年者であり、単独で有効な訴訟行為をすることができない(31条)。
裁判所は、X3が法定代理人によらず本件訴え提起をしていることを知った場合、期間を定め補正を命じる裁判を行う(34条1項)。
法定代理人の追認を受けるなど補正がない場合には、不備が補正されないとして訴えを却下することができる(140条)
(2)もっとも、本件では、X3は、アルバイトとして雇用されており、法定代理人から同意を得て、労働契約を締結したものと思われる。そこで、X3は、営業をゆるされた未成年者(民法6条1項)と同様に、労働契約においては、成年と同一の行為能力を有する。
その場合は、31条但書きによって、独立して法律行為(労働契約上の権利行使)をすることができるとして、単独で有効に未払賃金支払訴訟を提起することができる。
X3は、有効に訴えの提起が認められる場合、選定者として本件訴訟の判決効をうける(115条1項3号)
2 文書提出命...