会社法事例演習教材 第二版の解答です。問題は紛争解決編(第Ⅰ部)と紛争予防編(第Ⅱ部)に別れており、それぞれ12テーマずつ。会社法における最良の演習書であると考えます。
解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。 そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、充実した内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有効な内容となっております。
設問6-1
自己株式の取得につき条文の規定は、
155…自己株式を取得できる場合
156~159…株主との合意によって自己株式を取得する場合の手続(原則・手段①)
160…特定の株主との合意による場合の例外(手段②)
161~164…160のさらに例外
165…市場における取引、公開買付けによる場合の例外(手段③)
166~…株主との合意によらない取得の各種手続
となっている。Q1~5は、155~165までの理解を問うものである。合意によらない自己株式の取得については、聞かれることがない?
Q1:会社が自己株式を取得できるのはどのような場合か?
155に規定がある。
・取得条項付株式の「一定の事由」が生じたとき(107Ⅱ③ロ)
・譲渡制限株式の譲渡を承認しない場合(138①ハ、②ハ)
・株主との合意による取得(156Ⅰ)、取得請求権付株式の取得請求(166Ⅰ)
・全部取得条項付株式の決議(171Ⅰ)
・株主の相続人に対する売渡請求(176Ⅰ)
・単元未満株主による買取請求(192Ⅰ)
・所在不明株式の買取り(197Ⅲ)
・端数の買い取り(234Ⅳ)
・他の会社の事業全部を譲り受ける場合...