「小学校社会科の授業改善の視点について,小学校学習指導要領(社会編)を根拠にしながら具体的に述べよ。」
1.学習指導要領改訂の目標とねらい
OECD(経済協力開発機構)のPISA調査などの各種調査により,我が国の児童生徒には3つの課題が見られることが判明した。
① 思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題,知識・技能を活用する問題
② 読解力の成績分布が分散しており,その背景に学習意欲,学習習慣・生活習慣の課題
③ 自分への自信の欠如や将来の不安,体力低下といった課題
これらの課題を踏まえ,平成20年1月,中央教育審議会は「幼稚園・小学校・中学校・高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」の答申を行なった。この答申では,①改正教育基本法等を踏まえた学習指導要領改訂 ②「生きる力」という理念の共有 ③基礎的・基本的な知識・技能の習得 ④思考力・判断力・表現力等の育成⑤確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保 ⑥学習意欲の向上や学習習慣の確立 ⑦豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実 の7つの改善の方向性を示した。
2.社会科改訂の趣旨
小学校の社...