大乗仏教の思想的な特徴について、「菩薩」「六波羅蜜」「空」「利他行」といった用語を用いて説明しなさい
釈尊が、生きていた頃の原始仏教時代から部派仏教時代を経て、大乗仏教がどのような背景の下で成立に至ったのかについて考えた上で、原始仏教・部派仏教、部派仏教の思想との対比によって、大乗仏教の思想的特徴が考えたい。
釈尊滅後100年余りまでは、釈尊の直弟子が教団をまとめ、よくまとまっていた時代であった。
しかしながら、100年を過ぎた頃から、主に戒律上の見解の相違から、仏教教団は、進歩的な大衆部と保守的な上座部とに分裂した。
その後も教団の分裂はすすみ、最終的にはおおよそ二十の部派が生じた。
各部派は自分たちの思想内容を明らかにした、アビダルマと呼ばれる論蔵を所有し、この時代の僧たちは民衆の教化よりも、仏教の教義を深め、研究することに関心を持っていた。
その事によって、教義面では著しい発達をしたが、民衆からは離れ、思想研究の方向へすすんでしました。
そのような状況の中で、現れてきたのが大乗仏教である。
大乗を唱える人々は、アビダルマ仏教が形式的で、一般民衆の救済を考えず、自利的であることに...