「テキストを読み進む内に生じる自分なりの疑問、批判を明確に述べよ。」
テキストを読み、存在論に興味を感じ、倫理学との対比において、疑問や批判を考えた。またp68~「世界」においては、世界の創造について、プラトンとアウグスティヌスの哲学的対比において、疑問や批判を考えた。
存在論と倫理学の対比であるが、プラトンが提出したイデア論というものには色んな意味があるが、その中でも重要なのは、善の本質の議論に関わっている。プラトンが言うには、イデアというのは我々が普通に目で見ているものの本体であり、例えば机のイデアなら、それは最も机的なものであって、いわば机そのものである。それぞれの机は、この机のイデアがあってこそ机が存在するのだ。だが、そのイデアの最高のもの、イデアのなかのイデア、イデアの王様こそ「善そのもの」であるべき「善のイデア」である。実際、プラトンのイデア論を導く切っ掛けになったソクラテスの対話の中で、ソクラテスが求めたのもやはり、善、正義などの倫理的なものの本質だったのである。だがアリストテレスはイデア論を批判し、それが形而上学的な意味で矛盾しているとし、23ヶ条の批判を突き付け、また...