アメリカにおける医療制度の現状を説明するとともに、我が国の医療改革について述べよ。
1.アメリカにおける医療制度
アメリカでは、個人が努力することで成功への機会に恵まれるという考え方がある「個人主義」といわれる風潮が強い国である。これは、貧困や医療問題の解決においても「自己責任」、「自助努力」が強調され、始めから全面的に公的扶助に依存すべきではないと考えられている。
、一定の条件を満たす障害者等を対象に行われるメディケア(公的高齢者医療保険)と低所得者を対象とするメディケイド(低所得者医療扶助制度)という公的医療保障制度がある。
これらは特定の人々のための制度であり、国民皆保険ではないアメリカにおける無保険者は国民の約15%(2003年)に及んでいるといわれている。
①メディケア(公的医療保障制度)
メディケアは、社会保障法にもとづく連邦直営の医療保険で、65歳以上の高齢者及び障害者年金受給者、被保険労働者とその家族等を対象に給付を行う医療保険である。これは、社会保障税によって賄われる全員加入のパートA、及び各人の選択により任意に保険料を支払って加入するパートBに分類される。
パートAは、150日未満の入院やホーム・ヘルスケア、看護費用の給付が主体で、医師による診療費用は含まれない。
パートBは、パートAイレなどの介助が含まれておらず、入院についても厳しい制限と自己負担分がある。なお、1998年からメディケア+選択プランのパートCが追加され、補足的医療保険と選択プランの保険料を支払うことで、従来のメディケアでは受けられなかった長期看護等もカバーされるようになった。
(2)メディケイド(公的医療保障制度)
メディケイドは、社会保障法に基づいた社会扶助制度で、連邦政府と州政府が費用を負担し、州政府が運営している。メディケイドの加入資格は各州が定めるため、州により資格条件が多少の差がある。対象は低所得者であり、基本的な医療サービスを含む医療費を支払う目的で創設され、現在では介護サービスに関する公的財源の中心となっている。給付項目は、入院費用、医師の診療費用、ヘルスケア施設の入所費用、在宅ヘルスケアの費用などである。この制度は、低所得者を対象としているため、所得や保有資産について厳しい制限が設けられている。したがって、受給者になることは、経済的な自立を失うことを意味することから、一般的には「最後の手段」として考えられており、受給資格を得るには、資力調査(ミーンズテスト)を受け、医療的貧困者と認定される必要がある。
(3)マネジド・ケア(民間医療保険)
マネジド・ケアとは、医療費の適正化のために超過需要を減らすシステムの総称名称であり、医療保障者が医療を受ける者と医療を提供する門に医療費を抑制する動機付けを行っている。
できるシステムである。
1970年代から1980年代にかけて、病気ごとに医療費と乳日数の標準が設定されるなど、医療の適正性を審査する機構が活動を始め、HMOやPPOといった新たなヘルス・プランが現れた。
HMO(Health Maintenance Organizations:健康維持医療保険業界)は、「保険会社」+病院のシステムで、HMOが推定する医師や医療機関に限り、安価な医療費で受診ができ、複雑な請求書類の記入がない。しかし、被保険者の健康状態が悪ければ悪いほど病院や医師の利益は減少する。さらに、治療が長引くほど病院の利益は損失である。
PPO(Preferred Provider Organizations:特定
アメリカにおける医療制度の現状を説明するとともに、我が国の医療改革について述べよ。
1.アメリカにおける医療制度
アメリカでは、個人が努力することで成功への機会に恵まれるという考え方がある「個人主義」といわれる風潮が強い国である。これは、貧困や医療問題の解決においても「自己責任」、「自助努力」が強調され、始めから全面的に公的扶助に依存すべきではないと考えられている。
、一定の条件を満たす障害者等を対象に行われるメディケア(公的高齢者医療保険)と低所得者を対象とするメディケイド(低所得者医療扶助制度)という公的医療保障制度がある。
これらは特定の人々のための制度であり、国民皆保険ではないアメリカにおける無保険者は国民の約15%(2003年)に及んでいるといわれている。
①メディケア(公的医療保障制度)
メディケアは、社会保障法にもとづく連邦直営の医療保険で、65歳以上の高齢者及び障害者年金受給者、被保険労働者とその家族等を対象に給付を行う医療保険である。これは、社会保障税によって賄われる全員加入のパートA、及び各人の選択により任意に保険料を支払って加入するパートBに分類される。
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