HAPPYCAMPUS予想時事問題
※本レポートの目的は、学習情報共有として提供しております。最近の国際及び日本の重大になっているニュース記事を中心にまとめておきました。是非、ご活用ください。
【国際】 中国GDP、12年は7・8%成長 13年ぶり8%割れ
2013年1月18日 朝日新聞
中国国家統計局が18日発表した2012年の 国内総生産(GDP)は、前年と比べた伸び率が物価上昇分を除いた実質で7・8%だった。8%割れは、アジア金融危機の影響を受けた1999年(7・6%)以来13年ぶり。
欧州の政府債務(借金)危機で輸出が低迷したのに加えて、「バブル」やインフレを心配して中国政府が不動産投資や公共事業を抑えていたのが響いた。
個別の指標をみると、工業生産は前年比10・0%、消費は14・3%、輸出は7・9%、固定資産投資(企業の設備投資や公共事業)は20・6%それぞれ増えたが、いずれも伸び率は11年を下回った。
一方、同日発表された12年10~12月期の伸び率は前年同期比7・9%となり、前の四半期(7~9月期)の7・4%を上回った。四半期ベースでみると、伸び率は11年1~3月期からずっと前四半期を下回ってきたが、今回約2年ぶりに反転した。10年ぶりのトップ交代となった習近平(シーチンピン)体制の発足にあわせて、中国政府が公共事業を増やすなどした効果が出たとみられる。
景気に底打ち感が出てきたため、13年のGDP伸び率も、12年より大きくなるとみられている。世界銀行は8・4%、国際通貨基金(IMF)は8・2%と予想している。
中国内でも、伸び率が10%を超えるような高成長に戻すよりも、安定した成長を長く続けることを重視するようになっている。長く続いた高成長のツケとして、貧富の格差や、乱開発による不良債権の増加、環境の悪化や資源の浪費の問題が顕在化しているからだ。
このため、今後も中国政府は大規模な景気対策の副作用に配慮して公共事業などを抑え気味にするとみられる。13年の成長目標は、12年と同じ7・5%前後とする可能性が高い。
【環境】 北京の大気汚染、政治の責任訴える科学者
2013年1月18日 英フィナンシャル・タイムズ
先週末、北京市を包んだ有害なスモッグに市民から抗議がわき起こるなか、中国科学院の有力な研究者が、深刻な大気汚染の責任は政治の停滞と国有石油企業にあるとの批判を繰り広げた。
大気物理学者の王躍思氏は、隣接する北京市と天津市のスモッグ対策に取り組む政府のワーキンググループの一員だ。同氏は「恐るべき」環境汚染の直接的原因は、石炭の燃焼、自動車の排ガス、それに大気汚染物質を低地に滞留させる特定の気象パターンだと指摘した。
一方で、根本的原因ははるかに大きく、容易には解決できない問題だという。「政治システムの変革に取り組まない限り、経済システムや環境管理システムの改革はついてこない。中国のシステムはうまく機能していない。指導者は経済にしか目を向けない」と述べた。
政府系科学団体の権威者が環境汚染の背後にある政治の問題について発言するのはきわめて異例のことだ。中国政府は何年も前から環境問題への取り組みを強調しているが、成果は上がっていない。
車の排ガスなどに含まれる直径2.5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下の微少粒子状物質「PM2.5」は、最も危険な健康被害をもたらすとされる。王氏は、その影響で北京市と周辺部では年間1200億~2400億元(190億~390億ドル)の経済損失が生じていると指摘した。この地域の国内総生産(GDP)を3.4%~6.7%押し下げるに相当し、従来の調査に比べても大きな数字だ。大気汚染は呼吸器系疾患や心臓血管系疾患の原因になる。また科学研究によると、接触から約7年後の肺がん発生率急上昇との相関が認められている。
政府関係者も認めるように、問題は環境関連の法の執行にある。顕著な例が、北京で販売されるガソリンだ。硫黄分が多いため、排ガスの汚染物質が増えてしまう。王氏は、北京では「国家基準より明らかに(硫黄分が)多い」と指摘。「これはCNPC(中国石油天然気集団)やシノペック(中国石油化工集団)に大きな責任がある」とも述べ、北京のガソリン精製・販売を一手に引き受ける国有企業2社を名指しにした。
中国石油大手は、ディーゼル燃料向け規制基準の導入をすでに数回にわたって先送りしている。自動車排ガス規制の「国4」基準は2年前から適用される予定だったが、2度も延期され、現在の予定では今年7月にスタートする。
数の政府高官も、慢性的な汚染は「社会経済の発展にとって重大な障害」となりつつあると警告している。
王氏によると、北京市では大気の状態が年々着実に悪化している。同氏の試算では、「PM2.5」の濃度が2006年~10年に毎年3%上昇したという。ただ、同市内では硫黄と直径10マイクロメートル以下の粒子状物質(PM10)がやや減少したことも認めた。
王氏は、同国が大気汚染を封じ込めるには、近隣都市の協調を進めるなどの政治改革が不可欠だとし、「政治システムが改善しなければ、目的は達成できない」と述べた。取り組むべき課題としては、環境影響評価を巡る汚職、司法の独立性の欠如、環境法の施行が進んでいないことを挙げた。
また中国の環境浄化は一夜にしてできるものではないと指摘。「30年で実現すれば上等」とし、「中国の指導者は、人々の生活や経済成長の必要性と環境汚染対策のバランスをどう取るかを決断しなければならない」と述べた。
【経済】 大学生内定率75%、改善の流れ続く 12月時点 、内定無しも10万人
2013年1月18日 日本経済新聞
今春卒業予定の大学生の昨年12月1日現在の就職内定率が75%となり、前年同期に比べて3.1ポイント上昇したことが18日、文部科学、厚生労働両省の調査で分かった。上昇は2年連続。企業の採用意欲の回復で改善が続いているが、就職を希望しながら内定がない学生はなお10万人に上ると推定され、両省は卒業前の集中支援に乗り出す。調査は全国の国公私立大62校を抽出した。来春卒業予定者は約55万5千人と見込まれる。
男子は74.5%(前年同期比1.4ポイント上昇)、女子は75.6%(同5.1ポイント上昇)。文系は73.9%(同2.8ポイント上昇)、理系は80.2%(同4.8ポイント上昇)だった。
改善傾向について、厚労省は「採用抑制のピークは越えたとみられる。ただ、景気の先行きが不透明で、本格上昇には至っていない」とする。
厚労省によると、今春卒業する高校生の就職内定率は昨年11月末時点で前年同期比2.7ポイント増の75.8%となった。就職を希望するのは約17万5千人で、求人数は同11.2%増の約20万7千人。求人倍率も同0.09ポイント増の1.18倍となった。
東日本大震災の復興需要で求人数が増えている東北を中心に内定率の上昇が目立った。岩手は前年同期比4.9ポイント増の85.0%、宮城は同10.6ポイント増の81.6%、福島は同8.1ポイント増の81.4%で、宮城は全国最大の上昇幅となった。
◆ 用語解説
▪ 国内総生産とは?
国内総生産(Gross Domestic Product、GDP)とは、一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のことである。国内総生産はストックに対するフローをあらわす指標であり、経済を総合的に把握する統計である国民経済計算の中の一指標で、GDPの伸び率が経済成長率に値する。
原則として国内総生産には市場で取引された財やサービスの生産のみが計上される。このため、家事労働やボランティア活動などは国内総生産には計上されない。この点は、国民総生産でも同じである。こうした取り扱いの例外として、持ち家の家賃など帰属計算が行われるものがある(国民経済計算の帰属家賃の説明を参照)。また今期新たに生産されたのでない財(例:古美術品)の取引、最終財の原材料となる中間財の取引は算入されない。
▪ 世界銀行とは?
各国の中央政府または同政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行う国際機関。当初は国際復興開発銀行を指したが、1960年に設立された国際開発協会とあわせて世界銀行と呼ぶ。国際通貨基金と共に、第二次世界大戦後の金融秩序制度の中心を担う。本部はアメリカ合衆国ワシントンD.C.。加盟国は184ヶ国。
▪ スモッグとは?
スモッグ(smog)は煙(smoke)と霧(fog)を合成したかばん語である。公害の一つ。スモッグを直訳したと思われる気象現象としての煙霧は霧が混じっているようなものは含まないので、もともとの意味とは異なっている。
19世紀後半からロンドンでは石炭を燃やした際に出る煙の微粒子と自然に発生する霧が混じったものが滞留し、呼吸器疾患などの健康被害が発生した。この煙と霧が混じったもののことをスモッグと呼んだ。特に被害が大きいスモッグは、1952年12月に発生して1万人以上が死亡したロンドンスモッグ事件である。このことから石炭の使用による煤煙の排出量増加によって起こるスモッグをロンドン型スモッグと呼ぶことがある。
用語としてのスモッグはスモッグ前線という用い方もされる。沿岸地域に汚染源があり、海風が内陸に進入していくとき、海風の前面で汚染濃度が高くなることがある。その部分をスモッグ前線という。関東平野や大阪平野の海風によく見られる現象である。