ユダヤ・キリスト教世界における悪魔の変遷
ユダヤ人の歴史
前10C イスラエル・ユダの二王国に分裂
前8C イスラエル王国滅亡(アッシリアのサルゴン2世)
前587 ユダ王国滅亡 (ネブカドネザル) →バビロン捕囚
その後 ペルシア・マケドニア・エジプト・シリア・ローマの支配
異民族による圧政
アレクサンドロス大王の東征→ギリシア人の中東への進出
文化の混交(ヘレニズムの風潮)
<ディアスポラ>の民として諸国に四散したユダヤ人→ヘレニズム化
パレスチナのユダヤ人→反抗
前2C初頭 セレウコス朝シリア(アンティオコス4世)
ユダヤ教の根絶・ヘレニズム化政策
強引な弾圧
エルサレム神殿の略奪
ヤハウェ礼拝の禁止
⇒反撥
<ハシディーム(敬虔派)>の登場
…律法を遵守してユダヤ人の民族的伝統を守ろうとする保守主義者
終末論が盛んになる
…人間は善人・悪人の2種類に分かれ、現在は悪人が支配しているが世界の終わりに悪人は滅ぼされ善人が報われる
メシア思想
…終末論で、この世の終わりの際に救世主が現れ、選ばれた善人を救ってくれる
黙示文学
…世の終わりの時を神が当時の義人に幻視させる形式の文学
現在目の前に存在する巨悪を神の仕業とは考えたくない
⇒神のほかに悪の元凶が必要
支配民族の宗教思想
悪魔の出現
<初期の悪魔の性質>
人に対する敵対者(サタン)。地位は低く地獄の王でもなく、意地悪な岡っ引き程度の存在。悪を憎む心から生まれる。過激な善悪二元論の宗教での闇の天使。
審判の日に天に復讐され永遠に火中に投げ込まれる。
名前はギリシア語、ヘブライ語などが新約聖書の時代に固有名詞化。
<その後の悪魔>
ペルシア渡来のゾロアスター教もユダヤ教に影響(悪の権化アハレマン)
悪霊→悪の権化、悪魔
一神教。絶対善と絶対悪に分かれ、世の終わりまで不断の戦いをする。
<後期ユダヤ教における偽典での悪魔>ヘレニズム時代
・悪霊の頭として、人に悪い思いを吹き込む
・新たな神の被造物、人間に対する嫉妬の為に(もしくは思い上がりから)楽園を追い出された天使の一派。その後楽園でサタナエルがアダム・エバを唆した。
・神に真っ向から刃向かっているわけではなく、神から甚だしい悪事をしでかす人間を惑わし苦しめる一定の権限をあたえられている悪魔も存在する。
・神から地上の番人、管理者に任じられた天使たちが美しい人間の娘と交わって(しかし人は肉に過ぎないのでこのとき神によって“死”が与えられた)巨人を生ませ、堕落させる知恵を授け神に閉じ込められた堕天使たち(総称サタン)。
・偉大なる英知の持ち主、ソロモン王に指輪で操られたりする。
名前、星座、働き、対抗する聖者や呪文も多く考えられる。
キリスト教、新約聖書
初期キリスト教…外典・偽典を生み出した後期ユダヤ教の一分派。
布教の際に最大の敵は異教。
<初期キリスト教の悪魔>
・絶対悪
・“死”を司るもの
・罪を犯した堕天使
・現在のこの世の支配者(後期ユダヤ教と共通、圧政下の弱者の宗教)
・異教徒の神々
・巨大な竜(年を経た蛇)の姿で書かれたりもする
・黙示録で終末の日に現れる悪魔像の多様性(悪魔の眷属、異形の相)
アバドン(アポリオン)、二匹の獣、バビロンの大淫婦
・悪霊として人に憑いて悩ませる
・サタン( =ベルゼブル)
・誘惑者
ユダヤ・キリスト教世界における悪魔の変遷
ユダヤ人の歴史
前10C イスラエル・ユダの二王国に分裂
前8C イスラエル王国滅亡(アッシリアのサルゴン2世)
前587 ユダ王国滅亡 (ネブカドネザル) →バビロン捕囚
その後 ペルシア・マケドニア・エジプト・シリア・ローマの支配
異民族による圧政
アレクサンドロス大王の東征→ギリシア人の中東への進出
文化の混交(ヘレニズムの風潮)
<ディアスポラ>の民として諸国に四散したユダヤ人→ヘレニズム化
パレスチナのユダヤ人→反抗
前2C初頭 セレウコス朝シリア(アンティオコス4世)
ユダヤ教の根絶・ヘレニズム化政策
強引な弾圧
エルサレム神殿の略奪
ヤハウェ礼拝の禁止
⇒反撥
<ハシディーム(敬虔派)>の登場
…律法を遵守してユダヤ人の民族的伝統を守ろうとする保守主義者
終末論が盛んになる
…人間は善人・悪人の2種類に分かれ、現在は悪人が支配しているが世界の終わりに悪人は滅ぼされ善人が報われる
メシア思想
…終末論で、この世の終わりの際に救世主が現れ、選ばれた善...