大地震の前兆の発見

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    資料紹介

    大地震が起こる原因の一つではないかという仮説です。

    資料の原本内容

    果たして地震は予知できるのか
    〜メカニズムから考える地震予測〜
    ぶしょーりゅう
    目 次
    Ⅰ はじめに
    Ⅱ 地震のメカニズム
    Ⅲ 地震は予知できないのか
    (1) プレートテクトニクス論とは
    (2) 地殻変動で予測はできるか
    Ⅳ 地震予測をしてみる
    (1)よく聞く地震の前兆は本当なのか
    (ⅰ)地震雲
    (ⅱ)電磁気異常
    (ⅲ)地震発光
    (ⅳ)ナマズの発生や巨大魚の打ち上げ
    (ⅴ)予知夢や体感
    (2)太陽フレアとマントルの関係
    (3)太陽フレアが地震の前兆か
    (ⅰ)実験方法
    (ⅱ)過去の太陽フレアと大地震のデータを比較
    (ⅲ)2017 年-2021 年の地震には前兆がないのか
    (ⅳ)東日本大震災は太陽フレアによる地震か
    Ⅴ 終わりに
    果たして地震は予知できるのか
    ~メカニズムから考える地震予測~
    ぶしょーりゅう
    Ⅰ はじめに
    「2045 年 7 月、南海トラフ巨大地震が起きる」のようないわゆる地震預言者の発言や文章を一度は目にし
    たことがあるのではないでしょうか。最近ではネット上でも盛んにいろんな情報が発信できるようになり、
    誰でもこのような「地震予言」ができるようになってきた。中には「今夜巨大地震が起こる!!」という「地
    震予言者」がいます。しかしその時間になっても、時間が過ぎても、次の日になってもそんな巨大地震は来
    ない。そう。この「地震予言者」はただネットで有名になるために発信したデマだった。地震の知識も何も
    わかっていない若者がただネット上でのフォロワーを増やすためについた根拠のない地震予言だった。たっ
    たこの発言の一つで何百人もの人がパニックになってしまう可能性がある。また 2011 年 3 月 11 日に起きた
    東日本大震災時の記憶をまた思い出してしまう人も少なくありません。こうしたことがあるので、気象庁は
    『一般に、日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられます。』¹ と指摘されている。つま
    りネットに書かれている●月●日●●巨大地震が起こるなどという投稿はほとんど無視して良いと考えられ
    る。また今までに「私は 2027 年から来ました」のように未来人を装って投稿をしているアカウントが多数あ
    りましたが、全て地震の予測を外している。しかし、ある日僕は動画投稿サイトを閲覧していたところ、
    「太陽フレアの影響で 1 週間以内に●●地震が起きる...!!」という動画タイトルの動画を見つけた。その数
    日後、本当にその周辺で地震が発生した。そのアカウントの動画内で共通して言っていたことは「過去の大
    地震の前の周辺の地震の発生の仕方が似ている時、同じような大地震は起きやすい」ということだった。毎
    日起きている地震のなかでも震度 0〜4 も大地震発生の前兆が読み取れる可能性があるということをおっしゃ
    っていた。そこで僕は地震予測に対しての興味が湧き、地震予知は本当にできるのかという疑問を追及して
    いこうと思う。
    Ⅱ 地震のメカニズム
    地震の起こる原因、いわゆる地震のメカニズムは
    一般的に授業で習うプレートテクトニクス論であれ
    ばほとんどの人が知っていると思う。「プレートテ
    クトニクスとは、地球の様々な変動の原動力を地球
    の全表面を覆う十数枚の厚さ数十 kmほどの岩盤
    (プレート)の運動に求め、そのプレートの境界部
    に様々な変動が生じることにより、地震や火山をは
    じめとする様々な地学現象を統一的に解釈しようと
    いう考え方であり、1960 年代の後期に登場した。 図 1 プレートの動きと境界 ³
    プレートはそれぞれ別々の方向に年間数 cm程度の速さで移動している。したがって、それぞれのプレート境
    界では、プレートが離れ合ったり、近づき合ったり、あるいはすれ違ったりする」²
    ¹気象庁「https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq24.html」(閲覧日:2023/8/19)
    ²地震本部「https://www.jishin.go.jp/main/yogo/e.htm#:~:text=プレートテクトニクスとは、地球,の後期
    に登場した%E3%80%82」(閲覧日:2023/8/19)
    日本列島と日本の周辺には、複数のプレ
    ートがお互いに近づき合っていて、太平洋
    プレート、フィリピン海プレート、ユーラ
    シアプレートと北米プレートがある。太平
    洋プレートは、図 2 の右の矢印の方向に年
    間 8cm程度で日本列島に近づいており、
    フィリピン海プレートは、図 2 の左の矢印
    の方向に年間 3〜7cm程度の速さで日本列
    島に近づいている。太平洋プレートは陸側
    のプレート(北米プレート)の下に沈み込
    み、千島海溝と日本海溝を形成している。
    またフィリピン海プレートも陸側のプレー
    トの下に沈み込み、相模トラフ、駿河トラ
    フ、南海トラフや南西諸島海溝を形成している。 図 2 日本列島と日本周辺のプレート ⁴
    最近よく騒がれている南海トラフというのがこれ。(トラフというのは浅く広い海溝)
    ³地震本部「https://www.jishin.go.jp/main/yogo/e.htm#:~:text=プレートテクトニクスとは、地球,の後期
    に登場した%E3%80%82」(閲覧日:2023/8/19)
    ⁴気象庁|地震発生のしくみ 「https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html」(閲覧
    日:2023/8/19)
    Ⅲ 地震は予知できないのか
    (1)プレートテクトニクスとは
    図 3(1)で地震がよく起こる場所と図 3(2)でプ
    レートがあると考えられている場所がほぼ一致
    していることがわかる。つまり、このプレート
    の境目で地震が頻繁に起きているということ
    だ。またその中でも地震が集中しているところ
    は地震大国と言われる我が国日本だ。また、日
    本というのは 4 つのプレートの上に形成されて
    おり、この 4 つのプレートの押し合いが日本周
    辺での地震の発生に繋がっているので、地震の
    発生の仕方は他の国に比べて極めて複雑である
    ことがわかる。このプレートの境界で起こる地
    震を海溝型地震と言い、最近で起きた巨大地震
    の 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災の
    東北地方太平洋沖地震 M9.0が海溝型地震だ。
    また地震のメカニズムは海溝だけでしか起こら
    ないわけではなく、「ときには摩擦の限界を超
    える前に、プレートにヒビが入ってしまった
    り、プレートの先端が砕けてしまったりするこ
    ともある」⁶ ように歪みが溜まりすぎると海溝
    ではなくプレート内で地震が発生する。これの
    代表例として 2016 年 4 月 14 日から 2016 年 4 月
    16 日 にかけて起きた熊本地震がある。こ
    のような地震を内陸型地震と言う。 図 3 地震の発生の位置と世界のプレ
    ート⁵
    (2)地殻変動で予測はできるか
    地震は地震の起こる限界値を超えた時に大きな地震が発生しやすいのだが、その限界値を超えたというこ
    とがわかれば地震は予測できるのではないか。そこで東京大学名誉教授(測量工学)の村井俊治先生が GPSデ
    ータを利用して「地殻の微小な変動」を分析して、地震を予測するという方法を考えた。大地震は発生する
    直前までに歪みの限界を超えるので、その歪みを確認することで予測が可能になるということだ。
    ⁵木村政昭「なぜ起こる?巨大地震のメカニズム 切迫する直下型地震の危機」(技術評論社,2008 年,p63)
    ⁶島村英紀『公認「地震予知」を疑う』(柏書房,2004 年,p35)
    東北地方太平洋沖地震(M9.0)発生の数日前までは西
    向きに隆起しながら動いていたが、その後の 3 日間
    (図 4 の丸の部分)は東の方向に動いて沈降していた。
    この図4は地震が起きる前日までの日本海溝の動きの
    累積変位を示したデータだ。プレスリップ(図4の丸
    の時)の前までは南西方向に動いていたのだが、地震
    直前の3日間の間に 3cmほど東北東の方向に動いてい
    る。「長いあいだ地震学者たちは『プレスリップが見
    つかれば地震は予知出来る』と言っていた」が、村井
    先生は電子基準点に基づくデータによってはっきりと
    プレスリップを見つけることができたのである。この
    プレスリップの動きを捉えることができるのだとすれ
    ば、ピンポイントで地震予測ができることも不可能で
    はないのだという。
    図 4 宮城県の電子基準点の累積変位⁷
    しかしこれには大きな問題があり、それは電子基準点の変位を確認するための GPSデータを国土地理院が
    民間人に取得させるようになるまでに2週間も遅れてしまうということである。これはかなり致命的なのは
    言うまでもないだろう。この大きな壁が原因で予測が不可能になってしまう。しかし、今は予測することは
    難しいが、過去のデータは今も増え続けているので、過去に起きていた前兆を見ることはできる。
    Ⅳ 地震予測をしてみる
    (1)よく聞く地震の前兆は本当なのか
    (ⅰ)地震雲
    空を見上げた時に異様な形の雲を見たことがある人はいるの
    ではないでしょうか。うろこ状になっている雲や、細長く伸び
    る雲や放射状に四方八方に広がった雲など様々あるが、このよ
    うな雲を見ると印象的で何か悪いことが起こるのではないかと
    いう人間の思考から「これが地震の前兆だ!」ということが言
    う人も多い。日本では昔から雲の形や動きによって天気を予測
    ...

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