僧帽弁置換術を受ける患者の看護
病態概念
僧帽弁疾患とは
弁膜症には閉鎖不全と狭窄症がある。 僧帽弁狭窄症は、原因としてリウマチ熱が考えられているが、その既往が明確なものは約半数である。男性よりも女性に多く、1:3~4の割合である。リウマチ性変化によって弁尖の組織化・硬化・肥厚がおこり、交連部も癒合して弁口が漏斗状に狭くなっている。弁口面積は2.0cm2以下になると運動時などに自覚的な症状があらわれ、1.0cm2以下になると日常の家庭生活でも症状が出てくる。また心房細動なることが多く、左心房血栓を生じて、これが脳や他の臓器の塞栓症の原因となることがある。 僧帽弁閉鎖不全症は狭窄症と同じくリウマチ熱に起因するものであるが、そのほかにも腱索の損傷、心筋梗塞に続発した乳頭筋不全やその断裂、亜急性細菌性心内膜炎による弁尖の荒廃、あるいは弁構造の粘液変性などによって閉鎖不全になるものがあり、成因は多彩である。僧帽弁狭窄症は右心系負荷の疾患であるが、僧帽弁閉鎖不全症ではまず左心系に負荷のかかる疾患である。しかし、本症でも重症化してくると右心系負荷が増大してくる。
病態アセスメント
症状が...