*理学療法の特徴と対象への看護*
理学療法には大きく分けて運動療法と物理療法がある。運動療法は整形外科における治療法の中で、運動機能を維持・回復するために行われる最も重要な治療法である。一方、物理療法は、おもに症状の緩和を目的として、温熱、マッサージ、電気刺激などの物理的刺激を与える治療法である。
《運動療法と看護》
患者の現在の運動機能を評価し、評価に基づいて、関節可動域訓練と筋力増強訓練を行い、運動機能や動作能力の改善をはかる。運動療法はできるだけ早期に開始することが原則である。運動療法は、機能の回復を目的とする治療の一環であることはもちろんであるが、安静による運動制限から引き起こされる廃用性症候群を予防する目的もある。長期間の安静・固定は、治療部位の機能低下とともに、全身の機能低下を起こし、種々の合併症の原因となる。
○関節可動域訓練
関節可動域訓練とは、関節を自動的にあるいは他動的に動かし、関節可動域を維持・拡大させるものである。関節を動かすことによって、①安静やギプス固定などによって起こる拘縮の予防・改善 ②筋委縮の予防改善 ③関節運動による循環の改善 ④日常生活動作...