共同被告人と自白・補強法則

閲覧数3,442
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    本文一部
     甲と乙は、共同してX倉庫に侵入して商品を窃取したとの事実により起訴され、併合審理されている。
     捜査段階において、甲は共同反抗の事実を否認していたが、乙は犯行を認めていたところ、公判においては、甲、乙ともに共同犯行を否認した。
    1 他には証拠となるべきものはない場合、裁判所は甲・乙に対して有罪を言い渡すことができるか。
    2 X倉庫の管理者から、窃盗の被害を受けた旨の被害届が出されている場合にはどうか。
    問1
    1 裁判所が、被告人は有罪であると認定するためには、犯罪の証明がなければならない(336条)。本件においては、捜査段階における、乙の、甲と共同してX倉庫に侵入して商品を窃取したとの事実を認める自白のほかに証拠となるものはないとされている。なお、この自白は自白調書(以下、本件自白調書とする。)として書面となっていると考えられる。そこで、本件自白調書のみで、甲・乙が犯行を犯したとの事実を証明したとして、有罪と認定できるのか、以下検討する。
    2 まず、甲について、裁判所は有罪を言い渡すことができるのか。
    (1) この場合、本件自白調書によって甲が犯行を犯したとの事実を認定することになるが、そのためには本件自白調書が適式な証拠調べを経た証拠能力ある証拠である必要がある(317条、証拠裁判主義)。そこで、本件自白調書の証拠能力が認められるのか。本件自白調書は伝聞法則(320条1項)により証拠能力が認められないのではないかが問題となる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    刑事法総合演習Ⅲ(刑事訴訟法)
    本文一部
     甲と乙は、共同してX倉庫に侵入して商品を窃取したとの事実により起訴され、併合審理されている。
     捜査段階において、甲は共同反抗の事実を否認していたが、乙は犯行を認めていたところ、公判においては、甲、乙ともに共同犯行を否認した。
    1 他には証拠となるべきものはない場合、裁判所は甲・乙に対して有罪を言い渡すことができるか。
    2 X倉庫の管理者から、窃盗の被害を受けた旨の被害届が出されている場合にはどうか。
    問1
    1 裁判所が、被告人は有罪であると認定するためには、犯罪の証明がなければならない(336条)。本件においては、捜査段階における、乙の、甲と共同してX倉庫に侵入して商品を窃取したとの事実を認める自白のほかに証拠となるものはないとされている。なお、この自白は自白調書(以下、本件自白調書とする。)として書面となっていると考えられる。そこで、本件自白調書のみで、甲・乙が犯行を犯したとの事実を証明したとして、有罪と認定できるのか、以下検討する。
    2 まず、甲について、裁判所は有罪を言い渡すことができるのか。
    (1) この場合、本件自白調書によって甲...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。