親告罪と捜査、一部起訴

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    資料紹介

    問題
     Xが18歳のA女を強姦したという事件を捜査しているところ、検察官は、XがA女を強姦したという心証を強く抱くに至った。そこで、検察官はA女にXを告訴する意思があるか確かめたところ、A女は父母と相談してからと返事したまま何の連絡もなかった。
    (1)検察官は、Xを逮捕・勾留して取り調べることができるか。
    (2)検察官は、A女からの告訴がないままXを強姦の手段たる暴行の事実について略式起訴することができるか。1 小問(1)
    (1) 検察官はXを逮捕・勾留して取り調べることができるか。
      刑事訴訟法は、検察官は必要と認めるときは、自ら犯罪を捜査することができ、強制措置の一環として採られる逮捕・勾留をすることもできることになっている(191条1項、204条1項)。もっとも、強姦罪は被害者の人格権などを保護するという見地から親告罪となっている(刑法177条前段、180条1項)が、A女は告訴をする意思があるか明らかにしていない。とすると、XがA女を強姦したという事実について制約なしに捜査を認めてしまうと、A女に対してその事実について質問することも考えられるし、その事実が公になることも考えられるので、親告罪とした趣旨が没却されてしまう。そこで、親告罪について告訴がない場合に捜査できるのかが問題となる。

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    刑事法総合演習Ⅲ(刑事訴訟法)   
    問題
     Xが18歳のA女を強姦したという事件を捜査しているところ、検察官は、XがA女を強姦したという心証を強く抱くに至った。そこで、検察官はA女にXを告訴する意思があるか確かめたところ、A女は父母と相談してからと返事したまま何の連絡もなかった。
    (1)検察官は、Xを逮捕・勾留して取り調べることができるか。
    (2)検察官は、A女からの告訴がないままXを強姦の手段たる暴行の事実について略式起訴することができるか。
    1 小問(1)
    (1) 検察官はXを逮捕・勾留して取り調べることができるか。
      刑事訴訟法は、検察官は必要と認めるときは、自ら犯罪を捜査することができ、強制措置の一環として採られる逮捕・勾留をすることもできることになっている(191条1項、204条1項)。もっとも、強姦罪は被害者の人格権などを保護するという見地から親告罪となっている(刑法177条前段、180条1項)が、A女は告訴をする意思があるか明らかにしていない。とすると、XがA女を強姦したという事実について制約なしに捜査を認めてしまうと、A女に対してその事実について質問することも考えら...

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