民法物権 先取特権と物上代位

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    資料紹介

    問題
     Aは自動車をBに100万円で売却した。BはAに代金100万円を支払っていないにもかかわらず、自動車を110万円でCに転売した。BはCに対して有している転売代金債権をYに譲渡し、Cに対して確定日付ある証書による通知をした。その後で、Aが転売代金債権を差し押さえた。AはYに対して自分に優先権があることを主張できるか。
    第一 設問
    1 AはBに動産である自動車を100万円で売却しているので、本件自動車について先取特権を有している(311条5号)。その後、本件自動車はBがCに110万円で転売しているが、Cに引き渡し前である場合には、Aは先取特権に基づき本件自動車について行使することができるが、引き渡し後である場合には、Aは行使することができない(333条)。
    そこで、以下は後者の場合に、AはYに対して自分に優先権があることを主張できるか否かを検討する。
     かかる場合、Aが弁済を得るためには、Bが本件自動車を売却することによって得たもの、すなわち、BのCに対する代金債権(本件債権)に物上代位し行使するほかない(304条1項本文)。
     一方、YはAの物上代位による差押えに先立ち、Bから本件債権を譲り受け、Cに対して確定日付ある証書による通知を行い、対抗要件を備えた(467条1項、2項)。
    とすると、本件債権につき、差押さえたAと債権譲渡によって取得したYが競合している関係にある。では、いずれの一方を優先させるべきか。304条但書「差押」の意義が問題となる。

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    民事法総合演習(不動産及び金融取引法)   
    問題
     Aは自動車をBに100万円で売却した。BはAに代金100万円を支払っていないにもかかわらず、自動車を110万円でCに転売した。BはCに対して有している転売代金債権をYに譲渡し、Cに対して確定日付ある証書による通知をした。その後で、Aが転売代金債権を差し押さえた。AはYに対して自分に優先権があることを主張できるか。
    第一 設問
    1 AはBに動産である自動車を100万円で売却しているので、本件自動車について先取特権を有している(311条5号)。その後、本件自動車はBがCに110万円で転売しているが、Cに引き渡し前である場合には、Aは先取特権に基づき本件自動車について行使することができるが、引き渡し後である場合には、Aは行使することができない(333条)。
    そこで、以下は後者の場合に、AはYに対して自分に優先権があることを主張できるか否かを検討する。
     かかる場合、Aが弁済を得るためには、Bが本件自動車を売却することによって得たもの、すなわち、BのCに対する代金債権(本件債権)に物上代位し行使するほかない(304条1項本文)。
      一方、...

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