ポリグラフ

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    資料紹介

    目的
    本実験では、カード・テストパラダイムを用い、各質問に対して生起する生理反応についての虚偽検出検査を行う。虚偽検出検査とは、被験者にあらかじめ知っている項目(裁決項目)とそれ以外の項目(非裁決項目)を呈示したときの生理的反応の違いを測定するものである。このことは、個人の重大な情報が種々の項目に対して弁別的な生理的反応を生じうるという仮定に基づいている(J.L.Andreassi 1985)。
    虚偽検出検査で使用される2つの主要な方法は、対象質問法(control question test: CQT)と有罪知識検査(quilty Knowledge test : GKT)である( 越智啓太, 2005)。CQTは犯罪への関与を直接質問する関係質問と、過去に行った行為に関する対照質問によって起こる生理反応を比較する(Ben-Shakhar & Furedy, 1990)。もし被験者が対照質問よりも関係質問に対して、強い生理反応を示せば検査結果は有罪となる。一方、GKTは犯罪事実である裁決質問と複数の中立な非裁決質問からなる多岐選択質問を使用する( 越智啓太, 2005)。裁決項目に対する生理反応が、非裁決質問よりも一貫して大きければ、被験者が犯罪に関係した知識を有すると判定する(越智啓太 2005)。本実験では、有罪知識検査(GKT)によって、ウソそのものを発見するのではく、実験条件と統制条件の比較と同じく実験的に工夫した手続きで生理反応を比較することを目的とする。
    方法
    実験参加者 男性4名、女性13名の計17名が実験に参加した。
    刺激材料 刺激材料として,3から7までの数字を1つずつ記したカード5枚を用いた.5枚のカードの中から実験参加者が任意に選択した1つを裁決項目とし,残りの4つは非裁決項目とした.
    装置 生理的指標として,呼吸活動,皮膚伝導水準と皮膚伝導反応 (SCL, SCR) および皮膚電位反応 (SP) を測定した.血圧および脈拍数は,トノメトリ方式による連続血圧測定器 (JENTOW-CS,日本コーリン)を用いて左手橈骨動脈より計測を行い,一拍毎の収縮期血圧 (SBP) と拡張期血圧 (DBP) および脈拍数を算出した.呼吸活動は,腹部に呼吸ピックアップ (日本電気三栄) を装着して導出し,時定数 3sec,ハイカットフィルター0.1Hzで記録した.SCLおよびSCRは,アメリカ精神生理学会の勧告回路に準拠した計測器 (DA-2,ヴェガ・システムズ) を用いて,非利き手の手掌部より測定した.また,SPR測定のため,右手の拇指丘および前腕部にディスポーザブル電極 (バイオロードSDC-H,日本GEマルケットメディカルシステム) を装着し,前腕部を基準としてTC 3sec,HC 0.1Hzで増幅した.導出したこれらの反応は全て,生体情報アンプ (日本電気三栄) を介してオムニコーダ (8MI4,日本電気三栄) 上に紙送り速度5mm/secで記録すると同時に,A/D変換器内臓の生体処理波形装置 (BIOPAC Systems MP100,BIOPAC) を通じて1KHzのサンプリングレートでコンピュータに記録した.
    データ処理 全ての指標は,生体波形処理ソフト (Acqknowledge ver3.2.7,BIOPAC) を用いて,刺激呈示時点から10秒間の値についてオフラインで処理を行った.SPについては平均値を算出し,SCRについてはpeakとpeakの間の値を算出した。呼吸活動は,選択領域における呼吸波形の端点を直線で結びベ

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    目的
    本実験では、カード・テストパラダイムを用い、各質問に対して生起する生理反応についての虚偽検出検査を行う。虚偽検出検査とは、被験者にあらかじめ知っている項目(裁決項目)とそれ以外の項目(非裁決項目)を呈示したときの生理的反応の違いを測定するものである。このことは、個人の重大な情報が種々の項目に対して弁別的な生理的反応を生じうるという仮定に基づいている(J.L.Andreassi 1985)。
    虚偽検出検査で使用される2つの主要な方法は、対象質問法(control question test: CQT)と有罪知識検査(quilty Knowledge test : GKT)である( 越智啓太, 2005)。CQTは犯罪への関与を直接質問する関係質問と、過去に行った行為に関する対照質問によって起こる生理反応を比較する(Ben-Shakhar & Furedy, 1990)。もし被験者が対照質問よりも関係質問に対して、強い生理反応を示せば検査結果は有罪となる。一方、GKTは犯罪事実である裁決質問と複数の中立な非裁決質問からなる多岐選択質問を使用する( 越智啓太, 2005)。裁決項目に対...

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