ソクラテスの弟子であるプラトンの理想主義哲学は,アリストテレスの経験主義,現実主義の哲学と並んで,西欧哲学思想史の全伝統を二分しつつ,はかりしれぬ影響と刺激を与えた。彼の思想の中で有名なものは「イデア論」であろう。
法思想史 プラトン編
ソクラテスの弟子であるプラトンの理想主義哲学は,アリストテレスの経験主義,現実主義の哲学と並んで,西欧哲学思想史の全伝統を二分しつつ,はかりしれぬ影響と刺激を与えた。彼の思想の中で有名なものは「イデア論」であろう。
イデア論
それでは早速、イデア論について説明したい。例えば、兵士は勇敢であることを、裁判官は正義を貫くことを理想としている。彼らが具体的に行っていることは様々であり、彼らにも臆病だったり不正だったりする部分は存在しているだろう。だが勇気というもの、正義というものが目標とされている事実に変わりはない。この理想とする勇気、正義などのことをプラトンは勇気のイデア、正義のイデア等とよんだ。
永遠の真理・本質を求める
勇気のイデアとはどんなものか、正義のイデアとはどんなものか。この問いに厳密に答えるのはとても困難かもしれない。だが、最低限、勇気のイデアや正義のイデアがどのような性質を持っているのかだけは私たちも語ることができる。例えば正義のイデアは、時代や地方、個人というどのような枠組みにおいても等しく理想とされる普遍的なものだ。だからこそ、個々の正義の行...