ブックオフの社会的役割

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    資料紹介

    新古書店には最新刊以外の本が手に入りやすいという利点もある。町の書店では、特にコミックスについて言うならば、集めようと思っても既刊が揃っていないことのほうが多い。近年、コミックスの売上げは減少傾向にあるが、こういった問題も原因のひとつになりえるだろう。ブックオフでは、全巻揃った状態でセット売りされているのをよくみかける。あちこちで既刊を探し回る必要はなく、町の書店に比べてはるかに消費者にとって都合のいいような配慮がなされているように思う。これを受けて、出版社・取次店・新刊書店側でも既刊を1冊ずつ並べるなどの対応をしてきており、ブックオフの進出が新刊書店を刺激し、消費者に良い影響をもたらしていることは確かだ。

    これらのことからブックオフの社会的役割は出版業界全体の変革にあると思う。安く書籍が手に入るブックオフのせいで、小さな書店が倒産に追いやられているが、これは再販制度の欠点を証明した結果であり、これからの出版のあり方を問うきっかけになっている。そもそも新刊がないと買い取りが減るので、新刊書店がなければブックオフはやっていけない。出版物の流通が見直され、ブックオフと新刊書店がうまく棲み分けをできるようになれば、消費者にとっても書店(特に小さな書店)にとっても良い状況になると思う。そして出版業界が活性化されれば、問題視されている活字離れも改善されるのではないだろうか。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「マス・コミュニケーション論」 木曜日・2限  
    〆切 7月7日
    B:ブックオフなど新古書店の社会的役割
     
    最近では都心の駅前にも支店を多く持つブックオフ。その利便性はますます高まっている。講義の資料(「出版」・・・13)によると、本や雑誌の購入額は減ったと答える人が多かった。その理由の一つに、ブックオフなどの新古書店の存在がある。中古の本はたいてい100円程度で購入でき、容易に手に入れることができるのだ。出版文化産業振興財団の調べによると、書籍の金額を高すぎると感じている人がおおいのが実状である。私たちは、ブックオフなどの新古書店を利用することで、経済的負担が軽減され、本がより一層身近になったことは言うまでもない。客寄せのためのキャンペーン(おまけをつける・1冊プレゼントなど)をして、新古書店の脅威に対抗している出版社もあるものの、本の価格には私も躊躇してしまう。授業でもハードカバーの『ハリーポッター』が高すぎると先生はおっしゃっていたが、大人でも高いと感じる値段では子供にとっては欲しくても買えない高さだろう。
    実は、これには新刊書店を含めた出版流通自体に問題がある。出版は医療・化...

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